あたたかな日、武蔵小杉の歌会へ

昨日は最高気温が14℃ほど。3月のあたたかさだった。

午後から東急線武蔵小杉駅前のビル内で開かれる歌会があった。

いつも行く特別支援学校のカフェはお休みして、午前中、ゆっくりと時間をとった。

お昼過ぎのバスに乗って武蔵小杉まで行った。

 今日の歌会はみなさんの詠草のプリント作りや郵送をわたしが行ない、歌会の司会もわたしが担当した。

 先生が歌会に出席されなくなって七か月ほどたった。歌会には来られなくなったがわたしたちの詠草を先生に送り、それぞれの短歌の評価や添削を記したものが送り返されてくる。それを人数分コピーして歌会の最後に皆さんに配る。

 司会者は誰がどの短歌を詠ったかわかるし、先生の評価、添削を参照しながら歌会を進行する。他の出席者は誰がどの歌を詠ったかわからない状態で、歌の評価、感想などを述べていく。

 歌会の前に先生から郵送された2020年度版短歌手帳が配られた。わたしは2016年からこの歌会に参加しているので、2017年度版からいただいており、今年で4冊目だ。

 なかには三十年以上、先生に師事している人もいる。短い人でも十五年ほど先生に師事している。わたしは先生がご高齢になり健康面で不安を抱えるようになってから参加したので、元気な時の先生はみなさんの話の中でだけ知っている。

 わたしの歌を先生は添削してくださった。その歌をここに記しておく。

 

川べりの一糸まとわぬそめいよしの雲を浮かべる空を装へ(もと歌)

 

霞消え川べりに咲く染井吉野雲を浮かべる空に映えたる (先生の添削)

 

 わたしは花も葉もない冬の枯れ木立の桜を詠んだが、先生は花の季節の桜を詠んだ。こういうのを添削というのだろうか。

 

葉の繁る季節に気づかぬ巣をひとつ梅の古木が掲げていたり(もと歌)

 

葉落としてわれは気づけり巣をひとつ梅の古木が掲げていたり(先生の添削)

 

「巣」は「鳥の巣」にした方がいいと言うみなさんの意見も。

 

クリスマスのリースをともに作りしがわれもリースも友より消えつ

 

 上の歌は先生に意味不明と言われた。特に「われもリースも友より消えつ」の下二句が。「下句が物足りない」とも。

クリスマスのリースをともに作りしが友の記憶は白紙となりぬ(自分で推敲)

 

 今日は朝から雨が降ったが午後になり止んで、日差しも出た。

 昨日より寒く、エアコンの暖房が効いた部屋で掘り炬燵に入り、いろいろな短歌の本を読んだ。こういう一日がいちばん幸せな気持ちになれると気づいた。

 

軽鴨のつがいを慕ふか一羽にて川に暮らせる軽鴨離れず

 

主の逝く空き家の庭樹誰かの手に整えられて春を待ちをり

 

ひとつだけ早く咲きたる八重椿春の光を知らずに果てなむ

 

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白梅のつぼみ、柴犬レオがいた冬も、老犬ももこがいた冬も同じように眺めた

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沈丁花のつぼみ