すももの絵を描く

 朝早い時間、居間にいたとき雨が降る激しい音が聞こえた。

 早朝はしとしと降っていたので、その変わりように驚いた。

 ひとしきり激しい雨は続き、いつの間にか雨足がやわらかくなった。

 そんな雨の中、近所の特別支援学校に向かった。

 校門のそばの売店では、雨の日にもかかわらず5~6人が野菜が出てくるのを待っている。10分ほどして今日販売される野菜が運ばれた。

 ジャガイモ(男爵)、茄子、ピーマン、モロヘイヤ、キュウリ、ミニトマトが並んだ。茄子とキュウリ、ミニトマトを買ったがお財布を持ってくるのを忘れ、友だちよりお金を借りた。

 奥にあるカフェに入り、いつものようにハーブティーを注文した。雨の日なので客はわたしを入れて5人。ひとりはこの学校の卒業生で、仕事が休みの日にときどきここを訪れる。もと生徒さんはカフェで実習授業を受けたので、彼が入れた珈琲を飲んだことがある。おいしかった。

 庭のすももも終わりに近くなった。あんなにたくさんの実がなっていたのに、だんだん赤い実が少なくなる木を見上げると寂しい気持ちがわいてくる。

 すももの絵を今年も描こうと思った。

 昨日、枝や葉をついたすももを絵のためにとっておいた。2つのすももが付いた枝だがひとつは自然に枝を離れてしまった。枝付きのすももと他にふたつのすももを組み合わせて描いた。

 すももの色はマゼンタとバーミリオンを中心に、レモンイエローで明るさを出し、ブルーやロイヤルブルーを混ぜて深みをだした。

 わたしが使っている水彩色絵具は混色で色を作るのだが、使い始めて6年弱たつのにいまだにどの色とどの色を混ぜるとどんな色が出来るのかわからないところがある。

 例えば緑色は混色しなくても「グリーン」と「イエローグリーン」があるがこれだけでは葉っぱの色は表現できないので、イエローとブルーを混ぜたり、イエローとグリーンをさまざまな分量で混ぜて、緑色のバリエーションを作る。その時、どんな色合いだったかがいつも混ぜて見てわかるという具合なのだ。絵具に同封されている「混色の手引き」がないと6年たってもお手上げだ。

 

なめらかな乙女椿の木肌伝ひ落つる雨は手のひらのごとし

 

自らの重みに曳かれ落ちてゆくすももの熟れ実一つまた一つ

 

 

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背景の色をどうするか、このままにするか迷っている

 

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ふつうのつゆ草より大きな花が咲く、園芸品種のつゆ草、昔は染物の下絵を使ったようだ

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びっくりするほど背丈が高くなった鉄砲百合、い

 柴犬レオや老犬ももこがいた頃咲いていた、背丈が半分くらいの鉄砲百合がなつかしい。昔見た『ライアンの娘』と言う映画に鉄砲百合が出てくるが、今年の鉄砲百合と同じくらい背丈が高かった。人妻と不倫の相手が落ち合うところにこの花が咲いていた。