歯科医院に行き、寄り道して帰る

 晴れて気温が上がった。南風が強く吹き、落ち葉が街を飛び交う。
 午前中は特別支援学校のカフェに行き、ハーブティを味わった。校内の菜園で採れたほうれん草とあじみ菜を一束づつ買った。
 昼食後、予約した歯科医院にでかける。
 定期的な歯のクリーニングだけでなく、久しぶりにレントゲンをとった。
 歯科医院を出て、街で少し買い物をし、最寄り駅まで電車に乗る。
 駅を降り、駅前のスーパーマーケットで鯵のたたきやブロッコリーなど夕食の買い物をした。
 駅前の銀杏並木がきれいに黄葉していて、家に直行するのがもったいなく思えたので、いつも通る道をとは違う道で帰ることにした。
 駅前の道は放射状になっていて、どの道も銀杏並木があるがなかでもいちばんきれいに黄葉している道を歩いた。
 その先に柴犬レオとよく散歩に行った公園がある。宝来公園という名前の公園だ。
 この街は坂が多く起伏が多い地形で、その起伏を生かした公園となっている。駅方向から公園に入ると広い踊り場のようなところがあり、梅の木がたくさん植えられている。そこから紅葉したカエデなどを見ながら階段上の道を下っていく。公園のいちばん下には池がひろがる。池の周りには小道があり、巡れるようになっている。
 池の真ん中には小さな島があり、そこにはマガモの群れが羽根を休めている。鮮やかな飾り羽を持つ雄と茶系の地味な雌がかなりの数いる。
 立っている鴨はよく見ると片脚で立っている。
 渡鳥であるマガモは冬の間、この池に滞在して春にはまた寒い国に帰るのだろう。ときどきこの池に来て、マガモを眺めるのも悪くないと思った。