一日中雨が降るなか、外出

 朝から雨が降り、だんだん強く降るようになり、風も強くなった。

 火曜日は特別支援学校のなかにあるカフェが営業する日だが、雨風共に強かったので行かないことにした。 

 そのぶん家にいてたまった新聞を読み、読みかけの内藤明氏の歌集『薄明の窓』を読み終えることができた。

 この歌集は2008年から2015年までの長い期間の歌がおさめられている。ちょうどわたしが家族や柴犬レオを失ってゆく歳月に重なっているので、自分を重ねながら詠むことができた。

 最後の2015年は老犬ももこをわが家に迎え入れた年で、ももこがいるとき観に行った村上隆の五百羅漢図展が詠われているのをなつかしく興味深く読んだ。

 一読してもう一度は読みたい歌集だ。

 昨日は昼過ぎには東京は雨が止んでいるとの予報だったが前線の進行速度が予想より遅くなったとかで、午後になっても風雨が強かった。

 やや落ち着いてきたかなという時間に家を出て、いつも行く歯科医院に行った。歯科医に歯をチェックしてもらうだけで今日は帰った。

 外は小雨になっていた。

 この歯科医院を出てゆるやかな坂を下ると妙に心が騒ぎだす。老犬ももこがいた頃からここに通い始めたのでそのことがあるのだろう。

 ももこだけでなく、亡くなった母のことも思い出した。母に悩みごとの相談を生前、一回もしたことがなかった。いま母が戻ってきてもすることはないだろうがただそばにいいてくれるだけでいいと思った。

 失った犬たちもそばにいてくれたら。心強いだろう。

 

並木道銀杏の葉より落ちる雨ときおり傘を強く打ちたり

 

決めかねるこころを持ちて雨の道歩けば鳥のさえずり聞こゆ