弟が家に来た

 日中は晴天で気温がほどよく上がり過ごしやすい週末となった。
 午前中は庭に出て、球根の植え付けや落ち葉の掃除、柿の枝の始末などをした。
 来春真っ赤な花を咲かせるラナンキュラスの球根を白にピンクに縁取りがあるプリムラと植え付けた。球根は冬の間見た目が寂しいが、土の下では春に向けてけんめいに根を張っているのである。その成果が現れるのは3月になってからで最初は小さな芽がぽつんと顔を出す。芽の数がだんだん増え、あたたかくなるにつれて葉っぱがどんどん伸びて繁り、そして花芽が出てくる。
 ラナンキュラスの球根は見た感じが繊細そうで、実際も繊細である。水を急激にやると腐ってしまうことがあるらしい。植え付けてから1週間は水をやらず、土の湿り気を少しづつ吸収するのがよいそうだ。
 ほぼ2時間ほどで庭仕事を終えた。
 午前中身体を動かしたので午後はのんびり過ごそうと思った。
 日が短くなったので明るいうちに買い物に行こうと準備をしていると弟から電話があり、1時間後に家に来るとのこと。
 急いで買い物に行った。帰りに知り合いに会い立ち話をしたので急ぎ足で家に向かうと門扉を入ったところで後ろから弟に話しかけられた。
 弟とは久しぶりにいろいろ話をした。弟の体調が悪いという話を数年聞いていたがその原因がわかった。ある評判のいい病院を紹介してもらい、CT検査をしてわかったとのこと。一時は息が苦しくて道を歩くのも大変だったそうだ。この話は聞いていなかったので驚き、弟の身を案じた。その原因がわかり、薬を処方されてからとても調子が良くなったと言うので少しほっとした。だがこの病気は喫煙が原因のひとつで、喫煙により病気の進行が早まると聞いているが弟は煙草をやめる気がないようで新たな心配が生まれた。
 弟の口から弱気のことばが出て、いっそう心配になった。父母の同じくらい長生きするのは大変だが・・・・・弟にはできれば長生きしてほしい。