矢車草をプランターに植え付けた

 午前中は晴れ間が出た。雲が多いが空の半分くらいが青空だった。 
 近所にある老人ホームに母方の亡くなった叔父の奥さんが入所したという話を従妹から聞いたので、どんなところか見たくなりそこを目指して歩いた。
 行きつく前に犬友だちが散歩から帰るところを見かけ、声をかけるとご自宅に招いてくれた。
 編み物や洋裁、フラワーアレンジメントなど手仕事が好きな人で、買った服も自分なりのアレンジをしてそのままでは着ないようだ。彼女が手をかけた洋服を何枚見せてもらった。
 珈琲をごちそうになり、ある著名人の話が出て、歌を歌って踊りもできて舞台でも活躍しているということはわかるのだが名前が出てこない。友だちのタブレットを使わせてもらい、新聞を開けばその著名人の名前につきあたるかもしれないと思ったが新聞をネットで見るのがめんどくさく削除してもらったとのこと。 
 ちょっと驚いた。タブレットのアイコンにタッチすると「新聞」(全紙無料)とあり、こんなに便利なものはないと思ったからだ。さらにタッチすると「データはありません」との表示。ほんとうに削除したようだ。 
 だが思い出すことができた。梅沢富美男という俳優(?)だった。友だちの友だちの家がその男優が舞台に立つ劇場の近くにあるそうで、その名前がなかなか思い出せなかったのだ。
 友だちは新聞は見出しだけでも見たいので元に戻してもらうと言った。
 お昼前に友だちの家を出て、当初の目的である老人ホーム経由で家に帰った。いつか会いに行こうと思っている。叔父の奥さんはまだ割合と元気でここに暮らしながらときどき外出して、友だちと会ったりしているとのことだ。
 昼食が遅めになり、食後、車でホームセンターに球根を買いに行くか、家でプランターに苗を植え付けるか迷っているうちに夕方近くなった。
 買い物は明日にして、庭に出て夏の間は百日草を植えた大きなプランターに(野菜の植え付けもできるほど)、種を蒔いて育てた矢車草の小苗を植えた。植え付けの前に自家製の腐葉土と土壌改良材、化成肥料を土に混ぜた。ぽつぽつと小雨が降るなかでの作業。
 今年は種を蒔いた後の成長があまりよくない。9月〜10月と晴天の日が少なく、ここに来て急に涼しくなり、成長する暇がない。
 数センチの大きさの小苗が根付いて、本格的な冬が来る前に根を張ることができるかどうか。
 晴天の日が続くようになれば大丈夫と思うが。


 浅き瀬に赤き水かきふんばりて毛づくろい余念なし軽鴨は

 秋の目より逃れたきとや葉の裏に小さきバッタしがみつきをり

 ほつほつと長き序章にも似たり小雨降るなか庭仕事せり