用もないのに駒沢公園までドライブ

 近くの神社で行われたラジオ体操は今日が最終日。カードには参加した日ごとにスタンプが押され、その数によって賞品がもらえる。こどもと大人では景品が違う。
 わたしは9日参加。10日参加した人と同じ景品だった、トイレットペーパー18個。抱えるようにしていっしょに参加した人たちと家に帰った。
 燃えるゴミを出したり、たまった洗濯をしたり、なんだか忙しい午前中だった。
 午後は少しのんびりした。
 お米がないのを思い出し、いつもなら歩いて行くスーパーマーケットに車で行った。お米といくつかの買い物をして車に乗るとそのまま家に帰るのが嫌になった。自分でも変だなと思う心の動き。
 だがこころのままにとりあえず家とは別の方向へ。その方向の先にある駒沢オリンピック公園に行こうと気持ちが動いた。
 運転しなれた道を車で行く。駒沢公園へとわたしを向かわせたもの。老犬ももこの思い出だ。
 2年前の2月、ももこを車に乗せて公園に行った。ももことこの公園に行ったのは最初で最後。
 今思うと公園なんかに行かない方が良かったと。あの年は1月の初めにももこの血液検査をして、腎臓の数値がほとんど変わっていなかったので安心していた。だがももこの腎臓は1月以降悪化していったのだ。わたしはそのことに気づけなかった。
 犬の1か月は人間の4か月にあたる。1月の初めの血液検査の後、公園に入ったときは2月末なのでほぼ2か月がたっていた。8か月近くが。それだけの時間が経過すれば体調の変化は十分にありうる。ももこに申し訳ない気持ちがあり、ずっと心に残っている。
 真夏の駒沢オリンピック公園はももこを思い出させる何ものもなかった。お盆休み前だからだろうか。車が多く、路上駐車する営業車も多い。運転しにくいので気持ちは運転のほうに向かう、それでも、ももこを乗せた車を駐車した駐車場の横を通るとき、あの日を振り返った。桜が咲くにはまだ時間がある2月の駒沢公園の冷たい空気がよみがえった。
 

 感傷と思へど足が向かひたり犬と散歩せし駒沢公園