ジャカランダの芽

 朝から晴れて気温が上がった。久しぶりに半そで一枚で過ごした。洗濯ものはそれほどたまっていないが洗いたいものは全部洗い、夕方までに全部乾いた。
 梅やすももの収穫から解放されたと思ったら夏至が過ぎ、これからは少しづつ日が短くなる。夏はまだ続くのだがなんとなく寂しさを感じた。
 庭のすべての木が葉っぱを一年でいちばん多く展開させ、光合成に勤しんでいるのに、鉢植えのジャカランダは芽生えを迎えたばかり。5月に一度新芽が伸びたのだが勢いがなく、上のほうにひょろひょろ伸びたので、思い切って新しい枝をぜんぶ切ってしまった。
 そうしないとどんどん上へ上へ伸びるばかりで、下からの枝が出なくなり、見た目が悪くなるし、木の勢いも弱るような気がする。
 思いきって上に伸びる新しい枝を切り、肥料をやり水もたっぷりやるようにして様子を見た。
 しばらくして切った下から新しい芽が出た。さらに時間がたってから根元近くから新芽が出た。 
 ジャカランダは上へ上へ伸びる木なのでいつも上の方ばかり見ていたがある日根元から新芽が出ていた。ジャカランダは上に伸びる枝を切られ、危機感を持ったに違いない。下のほうからも枝を出し、何とか光合成をしなくては、と。
 直径30センチの植木鉢に植えられたジャカランダ。この植木鉢に20年近く植えっぱなしである。こんな窮屈な条件の悪い環境下でもなんとか芽を出して生き延びようとするジャカランダの木にどこかで通じ合うものを感じる。地面に植えたらビルの3〜4階くらいの高さまで伸びるかもしれない。オーストラリアのワイナリーに植えてあったジャカランダはびっくりするほど樹高が高かった。わが家の事情でこれからもずっと植木鉢のなかで生きてもらうことになるができるかぎり大切にしてあげたい。