短歌の本を読み、短歌を詠んだ

 昨日と違い気温が上がったが風が強い。庭の草木が傷みそうで心もとない。
 家の前の道路が拡張工事中で、道に面した駐車場に行くと「車を出しますか」と聞かれた。いいえと答えるとほっとしたようだった。前は工事中のとき、米がなくなってしまい車を出したが今日はそんなにさしせまったことはない。
 昨日、車で図書館に行き、予約した本を受け取ってきた。ついでに買い物も少しした。今日はどこにもでかけなくて大丈夫。
 家にいて昨日借りてきた本を読んだ。安永蕗子という熊本県熊本市出身の歌人の歌集である。年に4回出詠している短歌誌「しらぬ火」は熊本県歌人が平成12年に創刊した本で、題字は安永氏によるものだ。安永蕗子さんは書道家としても著名な方だった。
 安永氏が愛唱していた短歌はわたしが好きな歌人の歌が多く、思いがけない指向性の一致を感じた。氏がはじめて出版した歌集「魚愁」の巻末に書かれた後書きは読みごたえがある。どういう姿勢で歌を読んでいるかがすばらしい文章で語られ、ひきこまれた。歌はかなり難解で、それは歌人が信念にもとづいて詠ったその方法論がもたらしたものだ。
 安永蕗子の本を読みながら、題詠を1首詠もうとしたがなかなかいいのが詠めない。いや、もうだいぶ前から詠んでいるのだが上手くいかない。今日は今まで詠んだ題詠の歌から1首を選びたかったがどれも良くないような気がして選べない。新しい歌は詠えないので最終的に1首選び葉書に書き投かんした。
 題詠でこんなに苦労したのははじめて。老犬ももこがいた頃も題詠を月に一回葉書で出していたがあのときは数種詠んでかなり気楽に出詠していた。精神の健康のためにはそのほうがいい。


 水苔の間に微小の芽を伸ばす鷺草は羽ばたく夏に近づく