昨日はNHK全国短歌大会へ

 土曜日は午後1時から開かれるNHK全国短歌大会にでかけた。
 会場はNHKホール。JR渋谷駅前から歩いて12分ほどか。大昔はよく歩いた道だがここ10年ほどは数回くらいしか歩いていない。渋谷駅周辺の谷間を抜け出て坂道をのぼっていく、地形は昔と変わらないが道沿いの店はいくつか変わっている。大型店舗はほぼ昔と同じでなつかしさがある。
 NHKホール前の通り抜けできる広いプロムナードではテントが立ち並び、様々な店が出ている。手作りの小物やインテリア、バッグに古着、たこ焼きや焼きそばなどの食べ物屋もいろいろ。ライブコンサートも開いている。短歌大会よりこちらに気が魅かれたが終わってから一巡りすればいいと思い、会場に入った。
 会場はすでに人がおおぜい集まっていて、腰が引けた。人が多い場所は苦手だ。できればいつでも外に自由に行ける場所に身を置きたいし、あまり人が多くないところがいい。あらかじめ指定された席に座ると閉じ込められた感じになったが、大会がはじまるとだいぶ気にならなくなった。
 昨年、自由題2首を投稿したがどちらも入選作にも入らなかった。18人の選者が自由題特選2首、題詠から特選1首を選び、さらに秀作、佳作、入選作を選ぶ。応募作は自由題、題詠合わせて21000首あまり。明治神宮歌会の常連の人の名が秀作や入選作にあった。
 18名の選者はそうそうたる顔ぶれでさすがNHK短歌という感じ。題詠特選1首と自由題特選1首はそれぞれの選者が講評をする。自由題の歌に棋士の藤井四段を詠った歌があり、上句と下句の意外な飛躍、しかもぴたっととらえている感じがあり、いいなと思った。「山」の題詠で寺山修司を詠みこんだ歌もいい。
 短歌が上達するためにはどうしたらいいかという選者に対するアンケートに対して、いろいろな回答があった。名歌、秀歌をまるごと暗記する。漢字、ひらがななど表記もふくめて。100首覚えたら確実に上達すると言われたがさて・・・・・。ノートに自分の歌を書いて、納得いくまで書いて添削する。実際、自分の手で書くことが大事とか。色々な色の筆記具を使うのもよい、ことばのリズムがだんだんつかめてくると。詠いたいことをぜんぶことばにしないようにする。言わないところを相手にゆだねることが大切と言われたのは永田和宏氏。歌はひとりで詠うものではなく、相手が受け取ることで歌が成立すると。
 大会が終わり、先ほど気が魅かれた出店を見て回った。このあたりは45年くらい前に夜更けに訪れ、遊びほうけた記憶がある。あのときは人通りの少ない夜間の広場でアマチュアカメラマンが女性モデルの撮影していた。プロムナードを通り抜けると代々木公園のほうに出るが戻ってきてまた渋谷駅に帰った。

 今日、日曜はのんびりと家にいる。お昼頃、弟が家に来て郵便物を持って行った。いつものように菓子折りを持ってきてくれた。このように家を訪れるのは父が亡くなってからだが、あれから7年、弟もわたしも年老いたと思う。
夕方近く庭に出て梅の木の枝を脚立に上ったり高枝鋏で切った。わたしが使っている高枝鋏は掴み機能付き(高い所の果物などを収穫するのによい)なので、枝の切れが悪い。亜t新しい高枝鋏が必要かもしれない。今使って居いるのは2014年に買ったものだ。
 デジカメを持って庭に出たら、黄色のクロッカスのつぼみが大きくふくらんでいた。陽のあたる時間は咲いていたにちがいない。今年は寒いのにクロッカスの花は例年より10日〜2週間ほど早い。蝋梅の花は咲き進み、ふたつだけつぼみが出た日本水仙の花が咲いていた。


 花多き枝少なき枝一樹に明暗ありて梅花盛り

 障子に飛ぶ鳥の影拡大されわれに迫りくるさまを見る

 三秒差の走者に追いつかれ三秒差さらにはなされる

 大寒の空気にふるへクロッカスは黄色の光をしぼりだしたり

 水仙の白き花びら透かし見る冷たく荒ぶる大海原

 冬の海の記憶を秘め水仙は流れついたりわが庭隅に