今年初の武蔵小杉の歌会へ

 歌会のことを書く前に朝目覚める少し前に見た夢のことを記しておきたい。
 駅まで歩くとき通る坂道が夢に出てきた。夢の中に知人がふたりほど現れ、わたしはどちらにも嫌な思いを感じた。その気落ちした気持ちをなぐさめるかのように友だちが夢に出てきて、いっしょに坂道を下る。すると現実では家が建っている崖の上が公園のようになっていて、桜の木が植えられ、花が咲いている。都か区が土地を買い上げて公園にしたようだ。桜は満開でよく見ると硝子の小さな球体が花の間に浮かんでいる。硝子の魚も泳いでいた。あ、魚がいると思い、ここで目が覚めた。
 坂は片側がきりぎしになっていて、家があまり建っていないこどものころは谷をへだてて向こう側の高台を眺めることができた。夕陽が落ちるころはとても印象的な風景がひろがり、きっと心の奥にその風景が刻まれているのだろう。こどものころ、崖の上に桜の木があったように思う。その記憶が桜の花の夢になったのかもしれない。
 目覚めて夢の風景を歌に詠んだ。その歌を次回の歌会のために今日出詠する2首のうちの1首にした。
 今日の歌会ではわたしの出した歌のうち1首が先生に選ばれた。参加者からは2首ともひとりにしか選歌されなかった。
 
先生に選ばれた歌は

 牛飼いの呼ぶ声に牛ら従ひて阿蘇の草原を遠くより来る

もう一首は先生にわからないと言われてしまった。

 二十年前の恋のその後をインターネットに知り一日欝

「欝」を「うつ」と表記したら先生は「打つ」と読み違え、漢字にしないとわからないと言われた。

 
 テレビを見て詠った
 
一頭のエルク狼に倒されてイエローストーンの落日燃ゆる