夕方近く車で花を買いに行く

 午前中は洗濯をしたり、さつまいもを蒸して薄く切り乾燥芋として干したりした。まだまだ乾燥した日が続きそうなので、当分、乾燥芋や切り干し大根作りにいそしむことになりそうだ。
 昼食後、うとうとしたくなり掘り炬燵に横になった。半睡半醒のまま半時ほど。急に今日中にやろうと思っていたことを思い出し、がばっと起きた。
 1月12日は母の命日なので墓参りのための花を買い行きたかった。月曜、水曜、金曜は生花の仕入れ日なのでその日に花屋に行くと新鮮な花が手に入る。わたしが行くのは花を束売りで安めに売る店なのでなおさらのこと。
 冬は日が暮れるのが早いので急いで車を出し、花屋に向かった。多摩川の土手を通る道路から地平に近づこうとする太陽が見えた。西日を受けて対岸の高層ビルがぎらりと光る。中洲には鳥影がいくつも見える、川面に浮かぶ渡り鳥も。前にトラックが走るが後ろには一台の車もなく、ちらちら見ながらの運転。前方に集中しないといけないと思いながら。
 川の流れとほぼ90度の角度に走る道に出ると、後ろから西日がさし、バックミラーに映る後方の車の屋根が光っている。道路にも光の帯がとかれる。信号待ちのとき、車のサイドミラーに太陽がそのまま映っていた。サイドミラーが太陽をとらえたつかの間、信号が変わり、太陽とも西日とも別れた。
 花屋には市場から来たばかりのような束売りの花がいろいろ並んでいた。もう春の花だ。色とりどりのスイートピー、チューリップ。アルストロメリアは昨年末からあった。春の花、ストックはあまりなかった。チューリップ、スイートピーアルストロメリアの花束を買った。特価になっていたシクラメンの鉢植えも買った。


 日輪をまるごととらへしサイドミラー信号待ちの余興のごとし

 夕近く日陰の長き道をゆき太陽しづむ河原に出たり

 一陣の風 銀杏落葉われさきに車通らぬ道路をわたる

 色とぼしき街に黄水仙むれ咲き目を喜ばせつ



梅の花の数が少しづつ増えてゆく
花たちが話に興じているような、たがいにあいさつしているような
にぎやかな雰囲気になってきた


蝋梅のつぼみ
こちらはあいかわらず花数が少ない
背景の青は空の色ではなく、向かいの建築現場のブルーシート