雨に降り込められ、短歌大会をあきらめる

 朝から台風に刺激された秋雨前線の雨が降り続ける。台風はまだ遠くにいるのに降り続く雨に外出もままならない。
 午前中に近くの投票所に衆議院選挙の投票に行った。帰りはコンビニ寄って買い物をした。家の近くで近所の奥さんに会うとこれから買い物に行くところと話した。いつもは自転車で買い物に行く奥さんは雨の日が続き、買い物に行けなくてとうとう何もなくなったとか。
 今日は午後から明治神宮の短歌大会が開催されるのだが雨と風が心配なので行かないことにした。雨だけならなんとかなるが帰りに風が強くなることが予想された。台風はまた東京から遠くにいるが何しろ雨が降り続ける。これに風が加わったら、外出先から帰るのは困難だ。最寄り駅から15分以上歩くので。
 いつもこの短歌大会で顔をあわす歌友だちに電話すると、昨日からもう行かないつもりだったと言われ、行かない気持ちが固まった。
 代わりというわけではないが今週末に別の短歌大会があるのでそちらに出席するかもしれない。行かないつもりだったが今日休んだので行ってもいいという気持ちになった。
 家にいて先週読めずにたまっていた新聞に目を通した。「第四十六回 全国短歌大会選歌集」も目を通した。歌も少し詠んだ。
 東京は夕方、ときおり強い雨が降るが風はほとんどない。


 父に問われ花海棠と答へし木もこの庭になくなりてひさし

 ひとり遊び好きな少年にとらはれて魚は透明容器に泳ぐ

 家の前老犬を毎日歩かせれば宅配の人に長生きと言われき

 宙を舞ふここちせり軽四輪 明石海峡大橋渡れば

 台風の大雨にメダカの夕食はなしとつぶやきこたつに入る

 父の傘母の杖そのままの傘立てに十年の時流れたり

 父残せし傘をひらいて台風の雨の街に買い物に行く

 さびとしみありたれど父の傘しかとわれを雨から守りくれたり

 行くつもりの歌会あきらめて台風を待つ雨の神無月