久しぶりに陽射しが出た

 午前中はほぼ雨が降り続き、ため息が出た。お昼過ぎから陽射しがさした。あまり長い時間ではないがうれしかった。会いたいけれど会えない人に久しぶりに会えた気持ちといえばおおげさだが近い。
 お昼前まで近くのとく特別支援学校に行き、校内のカフェで珈琲を楽しんだ。わたしより高齢の方がふたり。年齢の話になり、上の方がわたしより20歳上、次の方が12歳上とわかった。わたしの年齢はぼかしておいた。
 20歳上の方は女の方で、びっくりするほどわたしと考え方が違うところがある。ほぼ真反対の考え方。だがこれは年齢差からくるものではないようだ。自分とかなり違う人の話を聞いて、理解しようとするトレーニングみたいな感覚もある。
 校内のカフェを後にしたときもまだ雨は降っていた。家に帰り、昼食を食べているときに広縁に陽射しがさすのを見た。午前中に洗濯したものを外に出したが陽射しが出ている時間は長くなかった。
陽射しはすぐ陰ったが午後はずっと雨が降らず、気持ちが晴れ晴れとした。
 夕方近く、近くの菩提寺にお墓参りに行った。最近、父母を思い出すことが多く、こういうときはお寺に行くしかないと思った。庭の花を何本か切り、一昨日買ってきた花と合わせて手向けた。雨上がりの墓地はお彼岸の花が枯れていて閑散としている。あたりに大公孫樹が落とした銀杏の匂いが漂い、季節の移り変わりを感じた。

 秋雨のしめやかな音 家にをりし母の最後の夜を思い出づ

まだ起きているの もう寝るよ おやすみ 横たわらぬ母と交わした最後のことば

 なおるなら入院してもいいと母 早朝救急車を呼びにき

 重篤の呼吸困難に陥りし母は医師に苦しくないと言ひし

 7日後 二酸化炭素からだ中にめぐる母は旅立ちぬ


 秋の花を剪りて母への供華にせむと小雨降る庭に出る

 雨の秋の庭を歩けば雨露にうなだれる花首伸ばす花

 (テレビでカラフトマスの遡上を見て)

 茜色のこんぶゆらぐ海を生れし川に帰るカラフトマス泳ぐ

 天敵のヒグマ待ちかまへる子をなすために遡上する魚の群れを

 血を流すカラフトマスくわへたるヒグマを待つは厳しき冬

 産卵終へぼろぼろとなりし魚らは逃げる術なしカモメに喰われる

 海に沈めばカラフトマスのむくろ蟹のえさ昆布の糧となりぬ


 街なかに集団見合いするむく鳥 新居はいづこの団地にやあらむ

 
パイナップルの香りがする葉を持つパイナップルセージの花

オキシペタラムの花
真夏は花が咲かなかったが涼しくなったら咲き始めた

夏の間、葉っぱが萎れて元気がなかった忘れな草が秋になったらいきいきとしてきた

夏の終わりに買い求め、10月の初めに定植した浜菊
白い花が好きで昨年も植えたが冬越しができなかった
今年は無事冬を越してほしい