横浜トリエンナーレに行く

 午前中、秋まきの種子をひとつ蒔いた。うすいピンク色の花を春に咲かせるアグロステンマという草花。ヨーロッパ原産で細い茎を伸ばしてたくさんの花を咲かせる。一見ひ弱に見えるが実は丈夫な性質を持つ。花が終わった朝顔の鉢植えを抜いて土を新聞紙にひろげ、根っこや虫の幼虫を取り除いた。みみずもいっぱいいたのでスコップですくって庭土に移動させた。
 急いで手を洗って近く特別支援学校に行き、カフェで珈琲を飲み知り合いと少し話した。3か月の赤子をベビーカーに乗せた若い母親もカフェにやってきた。赤ちゃんはすこしだけおとなしくしていたがやがてぐずり始め、母親は抱いてなだめるが泣き止まず、飲み物を飲んですぐ帰った。
 昼食後は横浜美術館で開催されている横浜トリエンナーレ―へ行った。。みなとみらい線みなとみらい駅から歩いて5分くらいのところにある。
 美術館前の広場では高校生のブラスバンドが演奏していて、シートベルト促進のイベントを開いていた。演奏を聞きながら美術館のなかに入った。
 平日なので人はそんなに多くなく、自分のペースで観ることができた。
 今回の展示テーマは「島と星座とガラパゴス」。「持続性」と「孤立」から世界のいまをどう考えるか?ということらしいが、あまりこだわらずに個々の作品を観た。
 印象に残ったものはたくさんあった。地球の歴史をそれぞれの時代の地層を丸く削った球のネックレスで表現したもの。さまざまな生物が地球上で栄え滅びて行った膨大な歴史が長いネックレスに凝縮されていて、備え付けの拡大鏡で地層の違いをわたしたちは目の前にすることができる。
 陸前高田在住のアーティストによるお話と絵画を組み合わせた作品。アクリル絵の具のあざやかな色彩が不思議な魅力を放っている。
 陸前高田を撮った写真の連作も見応えがあった。畠山直哉さん。2016年7月〈だったと思う〉の海を撮った写真もよかった。おだやかな波の黒い海。
 柴犬が出てくる動画作品も面白かった。強烈な風が吹きすさぶ火山湖にたくさんの柴犬と幽霊みたいな人間がいて、なにがなんだかよくわからないがどういう結末になるのかを知りたくて見続けたが結末はないのかもしれぬと思い、途中で席を立った。最後まで見ればよかったのか。最後はあったのか。
 1mくらいの奥行きの空間に無限と思われるほどの奥行きを表現したトンネルもあった。
  タクマラカン砂漠の奥地(?)に冷蔵庫を運び、電力を引いて冷やしたビールを飲むというプロジェクトを記録した映像を9分割の画面で流した作品。実際の電線(太さが50センチ以上はあった)と冷蔵庫も展示されていた。
 きりがないのでこの辺で感想は終える。
 今日訪れた横浜美術館のほかに2つの会場で開催されているので、これは別の日に行くことにした。

 
 エノコログサそよいでいるなり真昼間のみなとみらいビルの足もと

 コンクリートの崖切り立つみなとみらいの街角にコオロギ鳴くなり