午前中から午後の早い時間、夏の雲がもくもく湧きあがり、ゆっくりと北へ移動していた。何度も空を眺め、楽しんだ。
いつものように午前中、近くの特別支援学校に足を運び、校内のカフェで珈琲を飲んだ。授業のひとつとして校内の菜園で育ててる野菜もたくさん買った。トマト、茄子、じゃがいも、きゅうりを。
午後は武蔵小杉で短歌会が開かれるので早めに家に帰り、お昼前に家を出た。昼食は珍しく外で軽くサンドイッチを食べた。
今日の歌会は初めて司会を務めるので会場に早めに行った。13名の会員が送った2首づつの歌がプリントされ、各人に送られている。ひとり5首を選んで歌会の司会者に番号で書いたものを渡す。わたしは26首の歌ごとにを誰が選んだかわかるように記していく。先生はいい歌があれば何首でも選んでいいことになっているようだ。
ここまでの下準備をすませ、歌会を進行した。歌会に出席しているのは10人と先生で、10人に同じ回数話す機会を提供するように指名していく。先生は歌毎に最後をしめくくる。ときには添削したり、歌の一部をこういう言い回しもあるという提示もする。
司会で気を使うのは参加者全員が話したいことを話せるようにもっていくこと。もちろん先生の話はいちばん聞きたいところなので時間をとるようにする。その上で時間内おさめるようにするわけでなれていないので大変だった。みなさんが十分言いたいことを言えたかどうかはわからない。わたし自身は司会者なので言いたい時に言えるため、かなり言えたような気もする。自分の歌だけでなく、すべての歌に対していつもより集中出来たような気もする。
わが犬の目もと鄢ずむ晩年の写し絵見ればこぼるるものあり
先生は「こぼるるものあり」をもっと工夫することでこの歌は格段に良くなると。先生が例として示してくれたのは「うるみくるなり」「まなぶた熱し」。
わたしはこんなのをひねりだしてみた。「めがしらうるむ」「ほほ流るるもの」「ほほ落つるつぶ」
夏の雪の幻なるか白とみどり半夏生のふたいろの美し
「美し」ということばを使わないで美しさを伝えなければいけないと先生。
夏の雪の幻涼しき半夏生みどり鮮(あたら)し日の照る岸に
「鮮し」ということばを「あたらし」と読んでみずみずしい色を表現する言い回しを教わった。また「鮮(あざらけ)し」と読むこともできると教わった。
今日詠んだ歌は
夏の雲 鈍行列車のごとく北へ車窓からの眺めいかなるや
大空の口からはき出さるる雲どこに行こうか迷ひていたり
関わりなき人にまじりてランチを食べれば人おもしろきと思ふ
橋渡る電車よりの広角の眺め夏雲集いきたる空の大広間
夏雲が西の片空に集いてさあてこれからどこをめざそうか