昨日は靖国神社の献詠披講式へ

 昨日は曇りでときどき薄日がさす天気、気温が上がったようだが不思議と涼しく過ごすことができた。
 午後2時から靖国神社で創立記念祭のために募集した短歌の献詠披講式がとりおこなわれるので参列のためでかけた。
 兼題「水」で題詠した歌は700首あまり集まり、そこから預選歌20首、次点歌38首が選ばれた。わたしの歌は次点歌に選んでいただいた。
 拝殿で行われる披講式ははじめて体験するもので、風が通る本殿の大広間に列席し、宮司の方たちが朗詠し、唱和される預選歌20首を拝聴した。節回しをつけて唱和する歌は初めて聞くのをこれが歌の調べというものなのだろうかと思った。
 ときおり柏手の音が響き、鴉の鳴き声が聞こえる。開かれた空間での披講式がとてもこころよく感じられた。
 表彰式と歌人岡井隆氏による講評は別の会場で行われた。表彰状をいただくとき心臓がどきどきした。心臓が高鳴るようなことは久しぶりなので大げさに言うと生きている実感がした。
 岡井氏の講評を傾聴させていただいた。歌を作るうえで参考になることが多い。歌に出てくる具体的な地名の効果とか、効いている描写についてとか、比喩のなかでも「ごとし」と「ような」を使わない直喩の見事さなど。地名を入れる歌はわたしも試みているし、これからも試みたい歌のひとつ。比喩の歌をよく歌うがいつか直喩を使った歌を作りたいと思っていたのでとても参考になった。
 しめくくりは隣の会場で懇親会が開かれた。いっしょに参列してくれた歌友の方や会場で再会した歌友の方、新しく知り合った方などと楽しく1時間ほどを過ごした。

 水差しのかたちの水に活けられてテーブル真中の椿が紅し


 披講式とりおこなわれる拝殿に柏手の音たまさか響く

 披講式終へる拝殿に鴉の声長く曳き幕おろしたり

 色重ねは濃き緑と白の直衣すがしく声朗々と歌ふ