午前中、犬友だちが家に来る

 朝起きて玄関の扉を開けると思いがけなく雨が強く降っていた。いつものように朝の庭を見て回るつもりだったが少しためらった後、傘をさして庭に出た。花壇を見て駐車場の周りに置いた鷺草の鉢や朝顔の種を蒔いて芽が出たポット鉢などを見て回った。
 こうして種を蒔いた草花の成長の様子や、花壇の花たちが今どんな状態にあるのかとかを見て今日一日を始めることがいつのまにか日課になった。老犬ももこがいたときも、草花の種を蒔いた後は毎日チェックしていたように思うがあのときはやはり、ももこの状態がいちばんの気がかりだった。ももこの世話が草花の世話より優先され、時間もたくさん使った。
 ももこがいなくなり、庭木や草花の手入れにより多くの時間を使うことができるようになったがこれがわたしにとっていいことなのか、幸せなのかはわからない。しかたなくやっているわけではまったくないが、どこか欠落感があることは確か。
 朝早めの時間に小型のトラックに野菜を積んで千葉の農家の夫婦が来たので、空豆やトマト、新玉葱などを買った。犬友だちに携帯で確認して空豆と人参を買った。友だちはこちらに用事があるとのことで午前中に野菜を取りに来てくれた。家にあがってもらって、お茶とチョコレートを出した。わたしは午前中は甘い菓子類を口にすることはあまりないのでお茶だけいっしょに飲んだ。
 近所に出来た割合と高級な老人施設が一階のダイニングスペースを地域の人に開放していることなどを話した。地域の人に施設の一部を利用してもらうことがこの施設を作るときの条件だったようだ。安全面の保障は必要だがあまり閉鎖的にならずに地域に開かれた施設のほうがそこで生活する人にとってもいいことではないかと思った。
 午後は車で駅前の銀行に行ったが駐車場が混み合い、車を停められなかった。しかたなく有料駐車場に停めた。スーパーマーケットの駐車場も道路まで駐車待ちの車が珍しく並んでいた。金曜の夕方近くはやはり車で用事をすまそうという人が多いのかと思った。土日はスーパーマーケットやホームセンターに車で行くのはなるべく避けていた<車が多くて混み合うから)、金曜の夕方もどうしても行かなければいけない用事以外はやめておこう。


 わが願いの如く眠り続けるは写真のなかの犬じっと見る

 走り梅雨の慈雨に打たれあぢさゐの枝すくっと伸ぶ皐月の末に

 つかのまの薄日させば朝顔の苗ら陽当たりに連れて行きたり

 三時草とふ花午後の数時間ピンクの小さき花咲くらし