ベニカナメの剪定をはじめる

 今日も暑くもなく寒くもなくちょうどいい気候となった。
 午前中まだ陽射しが強くないない時間に家の裏手の隣家との境に植えたベニカナメを剪定した。ここは日があまりあたらないため、木の生長が抑えられ枝葉があまり多くないので剪定がたやすくできる。1時間半くらいで10数本のベニカナメを剪定した。長方形の敷地の奥からだんだん日あたりがよくなると木が大きくなり枝葉が多くなり、1本のベニカナメを剪定するのに時間がかかる。ちょうど木が大きくなる前で剪定をやめた。だいたい三分の一程度を切り終えた。あとはかなり大変なので一日に数本ペースで切ることにする。
 ベニカナメを剪定すると柴犬レオを思い出す。レオがいる時、年に2回剪定したから。てもとにある園芸書を読むと5月と9月に剪定すると赤い若葉を楽しめる時期が長くなるとあった。9月の限定された時期に切るとちょうど冬の時期に赤い若葉が出るので、ほんとうにそうなるのか試してみたく2度の剪定をはじめたのである。
 今思うとあのころのわたしは今より体力があったのか、それとも時間があったのか。どちらもあったのか。レオとともに懐かしい思い出である。二度帰らないから過ぎた時間はきらめくのだろう。
 今日は犬友だちが病院に検査結果を聞きに行く日でそのことが庭仕事をしながらずっとひっかかっていた。朝メールを送ったが返事がなく、午後に電話があった。声が疲れている友だちの状態を伝えて、電話で話しながらも早く話をすませて友だちに休んでほしいと思った。1週間余り後に検査入院をするとのこと。友だちの愛犬をご家族の方が見れないときは預かることもできると伝えた。
 同じ犬友だちから暗くなってから電話があった。こんどは元気な声で。さっきはいちばん疲れている時に電話して心配かけたかもしれないと思い、電話をくれたそうだ。うれしかったがそんなに気を使わなくても大丈夫、わたしはわかっているつもりだから。自分のことを一番に考えてくれたほうがいい。特にこういうときは。


五月の庭に額紫陽花の花芽見ゆれば昨年(きそ)の犬思い出づ

葉色よりうすきつぼみ日を重ね額紫陽花の花となりゆく

庭先に雀来たりて空のバケツのふち行き来すグラッと揺れて

朝と夜死にし犬らに声かけてひと日をはじめひと日を終える

掃き出し窓の内と外 別世界にてわずかな空気行き来す

陽射し受けきらめく若葉眺めつつ窓のうち吾は守られていたり

わが帰り待つ遺影父母と犬たち見やれば在りし日もどりくる