朝は小雨がぱらつき、南風が強く、桜はどうなるのかと思った。すぐ雨は止み、午後は陽射しが出て南風と雨のおかげでこのあたりの桜は一気に満開になったようだ。わが家の染井吉野だけは別で上のほうの枝はまだつぼみが多く、全体を見ると5分咲くらい。下のほうの枝は満開だが。
昨日はほぼ一日中、外でペンキ塗りなど肉体労働にいそしんだので今日は休むことにした。
午後まで家にずっといたが庭にも出なかった。晴れ間が出てきたのを見て外に出る気になり、庭の桜の開花のぐあいや花壇の花、これから花が咲く姫りんこの木などを見て回った。デジカメで写真もとった。姫りんごの花のつぼみは毎年この時期になると思うことだがめちゃくちゃにかわいい。ほれぼれするほどかわいい。つぼみから花が咲いていく、その形の変化も愛らしい。小さくおりたたまれた濃いピンク色のつぼみが身を寄せているようなつぼみのかたまりがあり、そのかたまりがほぐれてひとつひとつのつぼみなり、そのつぼみがまたほぐれていく。
夕方近くなり図書館に車で出かけた。予約した本が2冊取り寄せてあるとメールがあった。河原の土手の桜がきれいな玉堤道路を行き、中原街道を抜けて少し行くと桜のいろいろな種類の濃い薄いの花が重なるように咲いている寺院があり、その前に水路が流れ桜が水辺にところどころ植えられている。車に乗ったまま花見を楽しんだ。
本を借りて帰りは駅前のスーパーマーケットに買い物に寄った。有名な桜坂を上っていく。染井吉野のトンネルと赤い橋をくぐっていく。スーパーマーケットの駐車場の上には桜並木で桜の枝がしだれるように車のほうに伸びている。見上げれば満開の桜が連なりため息がでた。
柴犬レオがいた頃もこの駐車場から眺める桜に感嘆し、買い物を終えてから桜並木まで歩いたのを思い出した。今日も同じように歩いた。桜並木は5年前と同じように見え、時を遡るよう感覚もあった。
南風吹き満開になるさくら車より眺め図書館に行く
半世紀を越へる桜あちこちにみごとな花見せくれる
桜坂を車で上る咲き満ちるさくらと赤き橋をくぐりて
おととしのはる家に来たばかりの犬とさくら咲く川べりを歩きき
わが家に短き間(ま)しかいなかった犬なれどあまた思い出あり
花終わり冬枝に似る梅の木をよくよく観ると小さな芽あり
枕もとのスタンド点け寝る前に本読むが父の日課なりき
読書する元気がありし父思へばなつかしくあり悲しくもあり