庭の梅の木をほめられた

 朝は風が冷たく冬が戻ってきた感じ。とはいってもまだ2月なので冬の寒さもしかたない。
 いつもの犬友だちとの散歩をしてその足でお寺に行き、花の水を替えて家に帰った。家の前を近所の人が車で通りかかり、ウィンドーを開けたので近づくと「お宅にこんなに梅の木があったの?とてもきれいね」と言った。
 梅の木は同じなのだが隣の家がこわされてさら地になり、見通しがよくなった。少し離れたところから庭が見えるのである。車を運転していても庭の梅が目に入ったのだろう。どの梅の木も亡き父が植えたものなので仏壇の遺影にむかって梅の花がきれいとほめられたよと報告した。
 植えて50年以上たつ梅の木が5本あるがそれ以外は父が晩年に植えた木で10数年しかたっていない。10数年の梅の木は6本あり、それらがだいぶ大きく生長して花をたくさん咲かせるようになった。梅の木がたくさんあるように見えるのはそのためだろう。
 午後、車で駅前のスーパーマーケットに買い物に出かけたがほとんどの時間は居間の炬燵に入って過ごした。短歌会に送る歌を推敲するのにとても時間がかかる。時間をかけたがまだ推敲し切れていない。歌を詠むのはわりとかんたんだがことばを選び、歌のつながりを吟味し、上の句と下の句を入れ替えるなどをする推敲が大変である。推敲しても気に入らないこともあるし。

 生終へし犬の代わりに咲くごとし水仙の黄色庭にまぶしき

 まかされし庭の白梅あまた咲くを遠き国に住む父へ伝へる

 車を止め庭の白梅ほめくれる新しき春と呼びたき思ひ

 暗き赤のラナンキュラスのつぼみがたくさんの葉に守られてをり

 梅の木の花のあわいに星たちがわれを見よとまたたいている

 死にし犬に手向けやるクッキーの賞味期限見るは悲しき

 梅と星とわれと命の長さに違ひはあれどこの夜を共にす

 極寒の地より飛び来る尉鶲(じょうびたき)わが庭は君の避寒地なり

 単独で冬越しするとふ鳥なればわが身を重ねただ見守る