底冷えのする大寒の日

 今日は大寒だが暦通りに寒い一日となった。朝は水瓶が凍るほどの冷え込みはなかったが時間が進むにつれて寒くなってきた。お昼頃も寒かったが夕方になりさらに気温が下がった(ように感じる)。
 午後は近所の友だちから電話で誘われ、ご自宅に行ってお茶を飲みながら小一時間ほど話した。夕食の支度の時間になり、その家を出たがいつも朝散歩する友だちが犬を連れているのに会い、そのまま一緒に散歩した。傘が必要ないくらいの細かい雨が降っていた。このままいくと夜は雪に変わるのだろうか。
 朝夕の散歩や友だちの家で少し話した以外は家にいて、エアコンを入れた居間の堀炬燵に入って過ごした。今月から季刊で発行している短歌誌に短歌を投稿することにした。一年に4回、そのつど8首を原稿用紙に書いて発行所に送ると、自分の送った歌が短歌誌に掲載され送られてくる。歌を投稿することは会員になることであり、指定の年会費を振り込むことになっている。
 短歌をはじめたばかりの頃はどこかに所属して詠んだ歌を投稿するようなことを敬遠していた。実は今でもその思いは変わらないが、試しにどんなものかやってみたくなったので年に4回くらいなら、と思い始めてみることにした。
 図書館で借りてきた大岡真著『新折々のうた2』(岩波新書)を読んでいる。短歌や俳句、詩などが春夏秋冬にわかれて紹介されている。そのなかにとりわけいい歌を見つけた。短歌を読んで泣くことはそんなにないが泣かせてくれた歌である。

 「しずかなる病の床にいつはらぬ我なるものを神と知るかな」山川登美子 『山川登美子全集』所収

 三十歳にもならず夭折した歌人の歌にこころを揺さぶられた。歌のことばに不思議な透明感があり、ことばとことばの響き合いがきれいだ。いつか歌集を読んでみよう。


 山川登美子さんの歌と並べて自分の歌を記すのは気が引けるのだが・・・・・・


 桜木の高い枝にとまりおる鵯(ひよどり)の目になって見たし

 こまごまと母は残せしうさぎの土鈴うさぎ年に買へるや

 ドライアイに遠くありたる湿潤なるわがまなこ今日は雨降る

 わが髪見て「白くなったね」と言ひし父の気持ち今ならわかる

 家を出る母の亡き骸号泣するわれの髪を父はなでくれし