紅葉の百草園に行ってきた

 昨夜歌友だちからメールをもらい、明日百草園に行きませんかと誘われた。少し前に会ったときにも誘われたがことばを濁していた。今回は行ってもいいなと思い、朝早くなければ行けそうと返事した。
 今朝9時頃、友だちから電話があり、10時に東急線溝の口駅で待ち合わせをした。JR武蔵溝の口駅まで移動し、南武線に乗り換え分倍河原まで行き、こんどは京王線に乗り換えて分倍河原から高幡不動駅まで行き下車した。友だちの提案で高幡不動を参拝してから百草園に行くことにした。
 高幡不動にいたのは小一時間ていど。また京王線に乗り百草駅まで移動した。駅近くでお寿司のランチを食べ、百草園に向かった。最初はゆるやかな登りだったがだんだん坂の傾斜がきつくなる。最後の急な坂を登りきるとそこが百草園である。
 訪れる人はまばらで多摩丘陵につくられた園内は坂道が多い。入口から坂道が始まり登り切ると中腹に古民家がある。建物の前には梅の木が何本も植えられていて、そのうちの1本は江戸時代の初期に植えられた古木である。枝ぶりが見事だが白梅が咲くという。
 古民家の右手には若山牧水の歌碑がある。歌碑の左後ろに椎の大木がある。明治時代にはこの椎木の横手に離れがあり、ここにまだ大学生だった若山牧水が滞在したそうだ。歌碑には牧水の歌が三首刻まれているがそのうちの一首は雨が落ちる椎木が詠われている。訳ありの女性に恋して振り回されて失恋したそうだが、その女性と百草園を訪れたときのことを詠んだ歌も歌碑に刻まれている。
 
 山の雨しばしばし軒の椎の樹にふり来てながき夜の灯かな

 摘みてはすて摘みてはすて野のはなの我等のあとにとほく続きぬ 

 この中腹からさらに登ると遠く富士山や望める高台に出る。見晴らしは2方向に開けていて、片方は富士山の眺望、片方は新宿の高層ビルやスカイツリーがはるか遠方に眺められる。今日は空が靄っていたので富士山が見えなかったが高層ビルやスカイツリーを見ることができた。
 帰りは下り坂で行よりは楽だったが、もう少しで駅に着くというところで友だちは帽子を園内に忘れたことに気づき、ひとりで再度百草園に向かった。友だちを別れたわたしはひとりで帰ってきた。乗り換えが多く、どこで乗り換えるかちょっと緊張しながら無事に家に帰ることができた。
 家に帰りインターネットで調べてみたら、若山牧水の歌碑がもうひとつあることがわかった。どこにあったのだろうか。

百草園に入るとすぐ坂がある

中腹にある古民家、松連庵(しょうれんあん)
この建物の後ろには池があり、松の木が幾本も植えられているからこの名がついたのだろうか

古木の白梅

古民家の後ろ、雪つりがほどこされた松の木が5〜6本ある