トサミズキ、ネリネ、ストックを活ける

今日は月2回開かれる生け花教室の日。
 まとめ役の方が休んだので、わたしが代わりに集金などの雑務を引き受けた。
 花材はつぼみがついた土佐水木の枝2本、淡いピンク色のネリネ3本、赤紫色のスプレー咲きストック1本。
 土佐水木の枝は太くて切るのに苦労した。ノコギリがほしいと思うほど、剣山にもなかなか入らず、枝が安定しない。ネリネは夏に植え,秋に咲く球根花で活けるのははじめて。庭に植えたことはないがいつか植えてみたいと思っていた。ストックは甘い香りが大好きな花。復活祭のころ、早春のイメージの花である。土佐水木も早春の花なので、来春に思いを馳せ(老犬ももこがいない春に)しんみりとした。
 先生が最初から活けてくださった。自分で活けて先生のチェックを受けるほうがわたしは好きなのだが、先生には先生のお考えがあってお手本を示されたのだろう。

ストックの花の色が華やかさをそえている」

 こんな短歌を詠んでみた。

 ゆくりなく湧きあがりたる風の音泣けとばかりに身のうち過ぎる

 庭に出て柿の落葉を見ていると、とつぜん風の音がオーケストラの音のように湧きがってきて消え去った。その風の音を聞いて込み上げるものがあった。からだの中を冷たい手で触れられたようなぞくっとする感覚があった。

 東京は木枯らし一号胸のうち夏の余熱が残りているに
 冬の朝の東京は赤色の東京タワーだけがカラー写真
 遠見する冬の富士山雲の龍したがえ赤く暮れゆきたり
 山迫る川辺の村の木の根もと父の小さき骨うずめけり
 陽を受けしぶどうの粒が時を経て夕焼け色のワインとなりぬ
 愛犬の二体の骨のかたはらで眠るをやすらぐと思ふはかなさ
 愛犬の写真笑みしこと少なし幸薄き一生(ひとよ)とかなしめり