友だちの「花会」を観に行く

 2年半あまり年賀状のやりとりだけだった友だちから暑中見舞いをもらい、「花会」開催の案内が同封されていた。
 今日と明日(土日)の2日かである。国道第2京浜沿いにある池上梅園内の茶室が展示会場のようだ。
 車で行けばかなり近いのだが梅園の駐車場が工事中とのことなので電車と徒歩を組みわせて行った。乗り換えが2回、最寄駅から国道を10分ほど歩いて着いた。入口は平らなところで建物は平らな庭園内に建てられているが傾斜地が続いておりそこに梅の木がたくさん植えられている。梅の季節は見事だろうなと思いつつ、最初の建物がある敷地に入り、開けっ放しになっている畳の間に上がっていいのだろうかと考えていると友だちが現れた。着物を着た女性と伴っていた。その女性を見送るとのことなのでわたしはとりあえずひとりで会場をめぐることにした。2つ目の建物に移動し、中に上がって活けられた花を鑑賞した。
 床の間や廊下みたいなところに大きな枝を大きなつぼに活けたもの、小さな花器に活けたものもある。見ていると友だちが来てくれたので話を聞きながら鑑賞した。車で河口湖のほうに行き、さまざまな大きな枝を仕込んできたようだ。森や林で枝ぶりのいいものを切ったのだろう。ここんところがちょっと気になった。自然のものは自然のままに、というのがわたしの考え方だから。
 味わいのある枝がいくつもあり、この枝を選んだ人の美意識の確かさを感じたがわたしは大きな枝を使わない作品のほうに魅かれた。
 小さな備前焼(と思うが)の花器に、つるのからまった観音竹に似た葉を活け、赤い小さな花が添えられている作品。畳の間に続く広縁に置かれた野の草と蓮に似た葉などを木を繰り抜いた大きな器に活けたもの。背後から陽の光があたり、畳に草の影が伸びて、影と作品がいったいとなっている。
 和室の一室では活けこみのパフォーマンスが行われた。花器と花材を自分で選び、みんなが見ている前で活ける。紫陽花と風船唐綿、赤いダリヤを白い瑠璃の平たい器に活けるのを見たがとても素敵だった。この会は剣山を使わず花を活けることを特徴をしているが、大きな紫陽花の房を花止めとして使った。紫陽花が花止めになるのかとはらはらしながら見ていたが、見事に活けた。紫陽花の花のこういう使い方もあるのかを目が開かれた。


紫陽花の飾り花の中にダリヤや風船唐綿を活けている
見事なバランスだがどこかあやうさがあり、そこがまた魅力的

黒く塗った竹を組んだものに器をのせて鮮やかなガーベラを活けた

木の大きな器の中にプラスチックのコップをたくさん並べ、草や葉っぱを活けた
エノコログサがいい感じ