友だちの家で柿の葉寿司を作る

 早朝は朝焼けがきれいだった。空高くあかつき色の雲が伸び、その下を濃いねずみ色の雲が流れる、どこか不安定な空ではあった。
 案の定、朝焼けの空は一時ですぐ暗い色の雲が空を覆い、雨が降り始め、見る間にどしゃぶりとなった。その雨が少し小降りになったとき、家を出て友だちの家に向かった。
 前日、友だちの家に庭の柿の木から採った柿の葉を枝ごと持って行った。柿の葉で包んだお寿司を作るという友だちのために。
 今日はお寿司の作り方を教わりつつ、手伝いもするつもりだった。
 大きなテーブルにお寿司の具や寿司飯、友だちがきれいに洗って大きいものは半分に切った柿の葉が載せてある。
 作り方は柿の葉にまず具の魚を乗せる。しめ鯖や塩鮭を焼いてほぐしたもの、鯛の刺身の酢締めをどれかひとつ乗せ、その上に一口で食べられる量の寿司飯をのせ、酢で湿らせる。さらにとろろ昆布と紅ショウガを乗せて出来上がり。平たい木の器に並べて積み重ねて上にも柿の葉を乗せ、ラップを上にかけて押す。さらに重しをしてしばらく置く。
 一口で食べられる大きさの寿司で、いくつも食べられる。といってもわたしは7つでちょうどいい。
 柿の葉寿司を作りながら食べながら友だちとあれこれ話した。今まで話さなかったことをお互いに話せたのがよかった。


 暁の雲の輝きつかの間に黒雲主役の大空となり

 帰り来て家の空気が沈みおり命あるもの消えしを思う
 
ほととぎす小菊を切って活け終えたり父が使いし植木鋏もて