長い一日のごほうびのように月が出ていた

 蒸し暑い一日だった。病気療養中の老犬ももこがいるのでエアコンはかけっぱなし。時には肌寒いくらいの室温で過ごした。
 夜になり、外に出てみれば風が心地よく涼しかった。部屋でエアコンを入れるより外にいる方が何倍も気持ちがいいと思った。東の空には思いがけなくお月様が・・・・・・。二階家の上から真ん丸な姿を見せている月はなつかしい顔のように見えた。月もわたしに久しぶり!と声をかけてくれたような。
 ももこのことでその日その日をけんめいに生きているわたしは月がだんだん大きくなっていく、その過程を見るだけの余裕がなかった。今夜の月は突然大きくなって現れた新鮮な、でもなつかしい顔見知りのようだ。
 昨夜、腎不全末期の愛犬ももこのことで須崎動物病院の院長先生に電話相談をしたが、一番大きな成果は西洋医学ではない東洋医学という選択肢を示されたことかもしれない。須崎先生が教えてくれた西洋医学東洋医学をペットの医療に取り入れている病院にさっそく今朝電話を入れてみた。ももこの場合は一般診療ではなく、カウンセリングから入るのがいいでしょうということになり、さっそく今週の金曜日の午後2時に予約を入れることができた。
 ももこに関しては時間があまりないという気持ちがあり、行動するなら迷っていられない気がした。須崎先生によると、ももこが食事の終わりごろに歯ぎしりをおこしたり、前足のナックリング(足先が丸まり拳のような形になってしまう)がひどくなったのは、腎不全だけでなく脾臓膵臓が関係しているのはないかとのことだ。血液検査では出ないので西洋医学では治療の対象にはならないのである。先生の見立てが正解かどうかはわからないが、東洋医学の考え方を試してみるだけの価値はあると思った。
 ももこの友だち犬の飼い主さんはももこのことを心配して、午前中ももこの顔を見に来てくれた。ペットメディカル久が原という病院を教えてもらったことを話し、東洋医学の見地からももこの病気に対してみたいと話した。夕方には電話をくれ、予約がとれたか聞いてくれた。
 わたしは午前中から午後にかけて、ももこの腎不全の経過、食事、現在服用している薬や皮下点滴のこと、現在の様子などをワードの文章6ページ分にまとめた。このまとめたものをプリントし、ももこの血液検査のデータをすべて病院宛てでFAXを送った。全部で21枚になった。
 事前にももこの病気の経過を知ってもらうことで、カウンセリングがよりよいものになることを願っている。