冷たい雨が降る

朝から雨が降ったり止んだり。本格的な雨ではないが、冷たい雨なので外出には傘が欠かせない一日となった。

 このような天気が今週末だけでなく、来週も続きそうで雨ではなく雪になる可能性もあるとの天気予報だ。

 開きかけた紅梅の盆栽は足踏み状態。蝋梅はつぼみが鳥に啄ばまれて咲かないうちになくなっていく。やや元気なのが数本咲いている日本水仙くらい。

 近くの特別支援学校のカフェは文化祭の練習があるので、今日は変則的に11時からオープンした。お客はわたしをいれて三名といつもよりだいぶ少ないが、顔なじみなので1時間ほど話した。

 カフェで実技授業を受ける生徒さんに、小学校のときにどのような歌を習ったかを聞いた。わたしたちの世代は「ふるさと」とか「牧場の朝」とか滝廉太郎の「花」とか「里の秋」とか。生徒さんのひとりが「ルージュの伝言」やスタジオ・ジブリの曲を口にしたので時代の変化を痛感した。

 家に帰ると電話の留守電が入っていて、再生すると短歌会のメンバーの詠草をまとめて送った、その一人からの電話だった。「を」の助詞が抜けているが確認してほしいとのこと。その人が手書きで書いた歌には「を」が入っていた。わたしがまとめた原稿はひとつは「を」が入っていて、もうひとつは入っていなかった。「を」が入っていたのは先生に送った名前付きのプリントだった。このことを相手に伝え、「を」が抜けていたことをあやまった。

 なんでこんなことが起こるのかというと、先生に送る作者の名前付きの原稿と、名前のない原稿をWordの2つの文書で作るからである。校正をしてから2つの文書にわけるが、その後も校正を繰り返すので、一方の文書で直したものが一方では直されていないということが起こりうる。

 メンバーの歌をまとめて送った後はいつも間違って入力していないか、心もとなく思うことが多い。送ってから少し時間がたって電話が来たので、がっかりの度合いが強くなった。

 午後は掘り炬燵で暖まりながら短歌を作って過ごした。

 

個室にて点滴受ける犬のそば百人一首諳じていたり

 

 老犬ももこが腎不全の悪化で急変した時、三日間くらい動物病院の二階の個室で長時間の点滴を受けた。その時、ももこに付き添いながら白洲正子の『わたしの百人一首』を1首目から暗記した。ももこの様子を見ながら何首目くらいまで覚えただろうか。病院での点滴治療ではなく、自宅で皮下点滴をすることになり、病院での付き添いは終わったがこの本はわたしの愛読書になった。あの時覚えたつもりの歌はもう覚えていない。