毎日吐いている老犬ももこ

 推定年齢13歳になる柴犬ミックスの老犬ももこ。この数日、様子がおかしく、ほぼ毎日食べたものを少しだが吐いている。
 今現在は6時少し前だが、夕食を食べ残し歯ぎしりをしている。手作りのポタージュ風のものと缶詰の療法食を混ぜたものを、ゆっくりと食べていたがもうこれ以上は食べられないとばかりに歯ぎしりが起きた。多分、吐き気があるのだと思う。食べたい気持ちはあるが食べられないのだろう。
 特に様子がおかしいのは夜中で、昨夜と一昨夜はとても苦しく辛そうだった。一昨夜は2時頃、トイレに外に出し、戻ってきて布団に横たわらせた後のことだ。眠れないももこが暗闇で目を見開いていた。妙なうなり声のような、喉から出る悲鳴にも似た声を出し、足を動かした。顔も盛んに動かす。苦しさゆえの動作のようにも見える。ももこの声が苦しそうでそばに行き、ももこを膝枕にのせてからだやのどを撫でた。こんなことしかできない。それでも辛そうだ。20〜30分ほどでおさまったが長い時間に思えた。苦しさがおさまり、寝入っているももこを見て、こちらも眠ろうとしたが眠れなかった、そのまま朝まで起きていた。
 昨夜は深夜12時頃、ももこをトイレのために外に連れ出し、その後眠れないみたいで様子がおかしくなったが一昨夜よりは軽い症状でおさまった後はぐっすり眠った。こちらも1時頃から5時頃まで眠ることができ、ひと息ついた。
 現在は夜8時少し前。30分ほど前からももこが歯ぎしりと手足をばたばたさせる発作のようなものを起こした。咽喉の奥から悲鳴のような声が出て苦しそうで見ていられず、動物病院に連れて行こうと思ったが5分ほど前におさまり、ももこがぐったりとした状態で横になっている。
 こんなにいい子のももこがなんでこんなに苦しむのだろう。おだやかに最後の日々を過ごしてくれることがわたしの最大の願いなのだが、神様にすがりたい思い。

 思えばももこと暮している時間はとても短い。この家に来てからももことふつうに過ごせたのは1年くらいだろうか。最初の頃は長めの散歩もしていた。ももこは新しく暮すことになった家の周りがどんなところが知りたかったのだろう。東西南北歩き回った。もちろん、ももこの体力が許す限りだからそんなに遠い所は行けなかったが。
 男の子の犬にしつこくされてワンと吠えたことがあり、ももこも吠えることがあるのだと感動した。柴犬の女の子と友だちになり、いっしょに歩いたことが何回かあった。ももこは年上のようで少しお姉さんぶっていた。この友だち犬の飼い主さんとはわたしも仲良くさせてもらっている。
 家の中でのももこは、わたしが疲れて自室で横になっていると様子を見に来てくれた。散歩の時間なのにどうしたの?と。朝夕2回の食事が待ち遠しくてたまらず、台所に立っているわたしを見に何度もやってきた。食べることが生きがいのももこはどこにいった?今は吐き気があるにも関わらず、何とか食べようとしているももこ。食べられなくなる日が来たら、わたしは受け止められるだろうか。もう近いような気がする。
 今ももこが落ち着いているからこれを書いているが今また吐いたので、ここでやめることに。