老犬ももこが歯ぎしり

 少し前から老犬ももこ(推定年齢13歳)が時たま口をぱくぱくさせることがあり、前の柴犬レオにも同様のことがあったので心配に思っていた。
 今日は朝起きたとき、朝ご飯を食べた後、さらに夕方と何回も歯ぎしりをし、特に夕方は断続的に歯ぎしりが続いている。歯ぎしりをするとき、白い細かい泡が交じった涎のようなものを吐き出し、さらに朝食べたものも少し吐いた。胸やけがするので歯ぎしりが起こるのだろうか。
 レオの場合は涎は流していたが食べ物は吐かなかったように記憶している〈ただ、記憶違いかもしれない)。さらにレオの場合は歯ぎしりに続いて発作のようなものが起こった。レオの顔が胸のほうに曲がり(うつむくような感じ)、そのまま倒れることもあった。見ていて苦しそうだった。思い出すと今でも可哀そうになる。ももこにはそのような発作は今のところない。このまま起らないことを祈っている。
 朝ごはんはいつもより1割ほど少な目にしたものを時間がかかったが全部食べた。腎臓の薬と膀胱炎のための抗生剤を飲んでもらうために、りんごのすりおろしと蜂蜜、ヨーグルトの乳清をほんの少し混ぜたものに薬を入れて食べさせたが、ももこは嫌がった。いままでは薬も手製のおやつもすんなりと食べてくれたのに。抗生剤はどうしても飲んでくれないので、蜂蜜をまぶし、口の中に入れてしばらく口を閉じるようにしたら飲んでくれた。
 現在、5時少し過ぎたところだがももこがトイレシートの上に吐いた。歯ぎしりは吐き気が原因かもしれない。今夜は食事を抜いたほうがいいかもしれない。吐いたものの中に白いどろっとしたものが交じっているがこれが何なのかわからない。ヨーグルトは白いがあげたのはほんの少しでその大部分を今日は食べなかった。昨日も白いドロッとしたものが交じっていた。

 吐いた後、歯ぎしりがおさまり、ももこは静かに横たわっている。可愛らしい目には不安の影もないように見える。不安なのはわたしだけなのかもしれない。ももこを支えるわたしがしっかりしないと。
 一昨夜、ももこをわたしに紹介し、この家に来るきっかけをつくってくれた友人から電話があった。ももこが腎不全の末期で静脈点滴を三日受けた次の日にももこを心配してわが家に様子を見に来てくれた。一昨夜はその後の様子を聞いてくれた。ここまではうれしいのだが、愛犬の最後を迎えるための心の準備というか、姿勢というかについて話したのでわたしはかちんときてしまった。やれるだけのことをやることが愛犬のためにいいのかどうか、みたいなことを言った。わたしは人それぞれだと返事した。愛犬の最後と言ってもひとつひとつがたったひとつの命の終わりなのである。どういうふうにするかは例え愛犬を思う気持ちの強さが同じであってもその人の感じ方、性格、生活環境、経済的なことなどたくさんのことが関わってくるのでこうしたほうがいいと言えないところがあるのではないか。
 気持ちのすれ違い、心のずれを寂しく思った。友人はとりなすように、わたしがそうしたいと思うことをすることがいちばん大切と言った。わたしはそんなことは言わなくてもわかっていると。最後まですれ違ったままでは寂しいので、話しの最後はももこを心配して電話をくれてありがとうと言ったが。

 夜9時に追記する。夕方、歯ぎしりをしながら朝食べたものの一部を吐いたももこだが夜になり、台所に立ったわたしのほうを見ていた。もしかしたらと思い、朝ごはんより少し少なめに作った夕ご飯をあげるとぜんぶ食べた。食後はおぼつかない足取りで部屋を歩くのでトイレかと思い、玄関外に出すとすぐおしっこ。膀胱炎の薬〈抗生剤〉が効いたのか、おしっこがスムーズに出るようになった。
 ももこの食事はドライのドッグフードを半カップ〈お米の計量カップで)、療法食のウェットタイプを大匙1杯強、ゆがいたさつまいもと人参を裏ごししたものをあげた。ウェットタイプ〈缶詰)はやわらかいと思っていたが手でほぐしてみると、硬めに炊いた白米が入っていたので指でつぶした。さらに何かわからない固い塊が入っていたので取り除いた。ドッグフードはドライ、ウェットどちらも何が入っているのか、わからないところがある。

夕方5時過ぎのももこ
吐いた後、歯ぎしりはすっかりおさまった
胸やけや吐き気が歯ぎしりを起こす原因なのかもしれない