2月の明治神宮歌会へ

 昨日は冷たい雨が降ったが今日は晴れ間も出た。だが風は冷たい北風である。
 月に一度開かれる明治神宮歌会の日なので、風邪気味ではあったがでかけた。マスクの替えや鼻水対策のティッシュペーパー、ガーゼのハンカチをバッグに入れて準備をした。老犬ももこは庭に面した広縁に移動させ、牛乳を薄めたぬるま湯と、犬用のワッフルを1枚器に入れてももこ用のトレイに並べた。わたしが外出するときはいつもより少しだけ特別のおやつがもらえる。
 JR原宿駅から明治神宮の参道を通って社務所に向かうが、途中、いつもより増して外国人観光客が多く、日本にいながら自分が異邦人になったような錯覚を感じた。
 今月の講師の方は佐伯裕子さん。当座は「桃」。庭には父が植えた桃の木が三本あり、冬の桃の木を詠った。

 桃の木に2月の雨がしずくしてふくらむつぼみきらめかせおり

 昨日、雨が降っている時、洋室の窓から庭を眺めたときの光景を詠ったが、実景というより心象風景に近い。2月になり春のような陽気の日と寒い冬の日が交互に訪れ、桃の木やスモモの木、梅の木が目に見えて変化していく、その有様を毎日見てきた。冷たい雨に打たれながらも確実につぼみはふくらみ、裸の枝も空に向かいしなやかに伸びようとしているように見える。雨の日は晴れている日よりももこの世話が大変になるが、その合間に眺めた冬の桃の木がわたしに次の季節を語りかけてきた。
 この歌は、佐伯先生に最優秀賞の「天」をいただいた。くしゃみと鼻水で頭がぼーっとしていたときに作った歌だが力が抜けていたのがよかったのかもしれない。

 他にこんな歌も作ってみた。

 桃の花すももの花に梅の花亡き父植えし花競い咲く

 歌会のしめくくりに賞状をいただいた。家に持ち帰り、仏壇にお供えし父母に報告した。
 老犬ももこは広縁でお行儀よく留守番をしてくれた。トイレシートの1枚におしっこをしていた。トイレシートの下に滑り止めのシートを敷いたが後足の具合が悪いももこは滑りにくくなり、用がたしやすくなるようだ。