老犬ももこがまた食べたものを吐いた

 雨後曇りだった昨日と打って変わって今日は朝から晴れた。抜けるような青空がひろがり、さわやかな風が吹き渡る。貴重な五月晴れの一日。
 朝6時過ぎに目を覚ましたももこを抱いて外に出し、家の前の道路を少し歩いてからおしっこをした。歩くといってもよろよろ覚束ない足取りで、ときどき手を添えたり、ときにはこちらがしゃがんで支えとなって転ぶのを防いでいる。
 家に戻り、ドッグフード(腎機能障害に応じた低タンパク質のもの)をくだいたものに薄い肉のスープをかけてふやかし、さらにおかゆとつぶした茹でサツマイモを加えたものを朝食としてやった。これは5月9日に静脈点滴を始めた5月9日から食べている消化がいいように工夫した食事である。
 器の縁に寄ったドッグフードをわたしの手で中央に集め食べやすくして、ももこはいつものようにぜんぶ食べ終えた。ただ、食べ終えた後、ゲッゲッとしたので大丈夫かなと思った。案の定というか、トイレに行くためにももこを抱いて玄関外に出そうとしたら、うっという感じで食べたものを全部吐き出した。ももこを横たわらせ、そのままそっとしておいた。
 こちらの朝食を急いで食べ終え、ももこの様子を見ながら今日行う予定だった皮下点滴をするタイミングを考えた。
 先週の木曜に動物病院で先生に教わりながらももこに皮下点滴をして、その後一日おきをしている。最初は3日おきだったが土曜に黄色い胃液と未消化の食べ物を少し吐いたので、一日おきの点滴に変えたのである。
 吐いてから1時間半くらいたってから点滴をした。針のさし方を一回ミスして輸液が出てきたが2回目にうまくいき、10分ほどで200ccを点滴した。ももこは静かにしていうる。うとうとしているようだった。
 点滴を終えしばらくすると立ち上がり、台所に立ったわたしの後をやっとのことで追い、何かを食べたい様子に見えた。
 かかりつけの動物病院に電話し、担当の獣医師とももこが吐いたこと、皮下点滴をしたことなどを話し、食べたい様子なので少し食べ物をあげてもいいかとたずねた。尿毒症による吐き気だったら食べでもまた吐く恐れがあるので、少しだけやるようにと言われたのでいつもの三割ほど食べさせた。ももこはふつうに食べて今度は吐かなかった。
 わが家に来たばかりの頃、散歩していると推定年齢12歳より年をとっていると道行く人にいつも言われていた。わたしがそう思うとももこが可哀そうな気がして、ももこは12歳と思うようにしていたが揺らいできた。ももこにもっと長く元気でいてもらい、ももこが本当はそんなに年をとっていないと思ってもらいたかったがそうはいかないようだ。

 夕方、ももこをトイレのために家の前の道路に連れ出し、おしっこをしたところに友だち犬が通りかかった。飼い主さんはももこのことを心配して今日会えなかったら夜電話をするつもりだったと言ってくれた。ももこの顔が見れて良かったと何度も言った。ももこはちょっとぐったりとして、おしっこがすんだ後はわたしが抱いていた。こうしてももこのことを心配してくれる人がいるのはほんとうに有り難い。ありがとう。

ケージの中に入ることがなくなったももこ
使わないケージを片付けることはためらっている
ももこにとってこの中でくつろいだりおやつをもらったりしたので
なくなるとがっかりするかもしれないから

種から育てたニゲラが咲き始めた
白や薄いブルー、濃いめのブルーと色がさまざまで
一重や八重の花があるのは、自然交配しているからにちがいない