アンネ・フランクの薔薇を描いてみた

 昨夜は雨風とも強かったようだ。ぐっすりと眠っていたのか雨音も風の音も気にならなかった。夜中に一度起きたがトイをすませ、ほどなく眠りに落ちた。次に6時過ぎに目が覚めたがまた寝入ってしまった。結局起きたのは8時でこんな寝過ごしたことは今までなかったので驚いた。
 老犬ももこはかたわらのベッドに横になっているが急いで支度をしてももこを抱いて玄関外に出した。出るや否やおしっこをした。通路を歩いて道路に出るとももこは大きく回るようにして歩いた。そこへ雨が急に強くなった。ももこを抱いて屋根のある駐車場に避難するとすぐうんちをしたのでほっとした。こんな雨の中、いつまでも外にいたくないから。
 家に戻るともう雨は止み、晴れ間が出てきた。さっきの雨は最期の一降りだったようだ。
 ももこは後ろ足のどちらかが特に悪く、足が横に開いてよたよた歩く。真っ直ぐ歩けずに左側に倒れそうになる。日を追って歩行が難しくなるももこを前にしてわたしは何もできない。見守り手を貸すだけである。時々後足をマッサージすることもある。ももこを抱いて膝にのせ部屋の中でのんびり過ごすこともある。ももこの身体に触っているとももこもわたしもおだやかな気持ちになるから〈ももこに関しては推測だが)。
 昨夜の風雨でくたくたになっている庭植のアンネフランクの薔薇を切り花にして絵を描こうと思った。鋏を入れると花びらが数枚落ちた。もうほとんど終わりかけている花をそっと家に持って行き、そっとテーブルにのせて鉛筆でスケッチした。鉛筆で描き終わった頃には花びらが萎れかけて花のかたちが変わっていた。
 色付けする頃にはスケッチと花びらの形がまったく違っていたが、想像力を働かせ色づけした。