梅の木につがいのメジロが訪れた

 陽射しがたくさん降りそそぎ風がなくておだやかな一日。空は晴れ渡り、ほとんど動かない雲がなんとなく春らしい。
 庭に植わった梅の老木はいよいよ花盛りになり、真っ青な空を背景に淡いピンクがかった花が惜しげもなく咲いている。その花の蜜を目当てにつがいのメジロが訪れた。花蜜は食べ放題。花から花へ。枝から枝へ。目まぐるしく動き回る。首を伸ばして花の中に嘴を入れるしぐさが愛らしく、目で追う。



薄皮むきて蜜柑やりしわが指を軽く噛むなり老犬は

梅の香が空より降りくる夕暮れは失いし犬のことなど思い出されて

沈丁花の香りに呼ばれ振り返れば後ろ姿の母のまぼろし

洗濯もの干された庭が目に入り今日一日の幸せ思へり

 お昼近く近所の特別支援学校に行き、校門前に出した出店からほうれん草やブロッコリーなどの野菜、手作りクッキーを買った。その後、校内にあるカフェでコーヒーを飲んだ。カフェでは生徒さんが先生の指導のもと、飲み物を作り、接客し、レジも担当する。この春卒業する生徒さんもいて、高校生活の成果を踏まえて社会へと羽ばたく。いい門出を!