今日も梅の収穫

 庭に植えた梅の木のなかでいちばんの古木はたわわに梅の実が実り、熟した梅が鋭い音をたてて地面に落ちる。
 あ、また落ちた。耳慣れてきた音ではあるがあまり好きな音ではない。地面に落ちた梅はやっと落ち着ける場所を得たというようにも見える。傷ついてはいるが。 
 火曜は燃えるゴミ出しの日なので、朝食前と朝食後、庭に出て剪定枝を束ねたり、小枝を拾ってゴミ袋に入れた。ついでにドクダミなどを引き抜いた。この数週間は週2回のゴミ出しの日に剪定枝の束や小枝や草、落下した梅の実などを入れたゴミ袋を大量に出している。
 ゴミ出しの後は近くの特別支援学校に行き、校内のカフェで珈琲を飲んだ。わたしがこのカフェにはじめて来た頃はお客さんが少なく、接客や飲み物を作る実習授業をするのには物足りなかった。だが最近はお客さんが多くなり、カフェはにぎわい、生徒さんたちも接客をする回数が増えた。生徒さんとお客さんとの会話も増えた。
 一昨年、老犬ももこが家にいた頃、気分転換によくこのカフェに足を運んだがその頃も今よりは空いていて、ゆったり、のんびりしたカフェの雰囲気を今ではなつかしく思い出す。今ここにないものをなつかしむ気持ちが年々強くなるような気がする。
 カフェに来た友だちが梅ジャムを作るので落下した梅の実がほしいと言ってくれた。梅ジャム作りに疲れたので友だちがほしいと言ってくれて助かった。家まで取りに来てもらった。これもうれしい。
 午後はリクエストに応じて、梅酒用に比較的青い梅を収穫した。庭のどの梅の木もかなり熟してきて、青い梅は少なくなったのでさがしながら高枝鋏でていねいにひとつひとつ収穫した。2キログラムほど、梅酒を2瓶作れる量である。

 白旗を揚げるときが近づくと緑濃き庭を見て思いたる

 からすうりつつじをおおひ山吹へつるを伸ばして花ふたつほど