年の瀬らしい一日

 昨日までのんびりしていたが今日は少しあくせくした。
 朝は同じ部屋に眠っている老犬ももこが掛け敷布団の上に乗ってきて、その重たさで目が覚めた。いつもより1時間ほど遅い目覚めだった。ももこはおしっこをしたくて仕方なく、わたしを起こしたのだろう。
 急ぎ支度して急ぎ足で庭の通路を抜け、道路に出るとすぐ用をたした。すっきりしたももこはうれしそうにわたしを引っ張って走った。
 午前中はまず千葉から農家の夫婦が野菜をいっぱい積み軽トラックでやってきた。小松菜、ほうれん草、トマト,里芋などの野菜と注文したお餅を買った。買ったものを家に置いてその足で近くの肉屋さんへ。年末はいつも4〜5人は待っている状態だったがうれしいことに空いていて、スムーズに買い物ができた。
 買い物から帰り、ももこを外に連れだす。朝起きてから三回目である。家の前の道路でおしっこをしてすぐ家に戻るつもりだったが、ももこの友だち犬〈柴犬〉に会った。なんとなくいっしょに歩くうちにももこは調子が出てきて、この数か月でいちばん長い散歩をした。こういうのを散歩というので、散歩らしい散歩を久しぶりに楽しんだ。友だち犬の飼い主さんとは気が合うので会話もはずむ。ももこが確かな足取りで歩くので、その飼い主さんもわたしも驚いた。後足の具合が悪いももこのことを気遣ってくれる心優しい方である。
 家に帰り、今度は車で墓参用の花を買いに出かけた。車を停める場所が少なく、もし停められなかったらどうしようと思っていたがラッキーなことに、30分までの駐車は無料という駐車場から車が出るところでそこに停ることができた。30分以内で買い物を終えた。松の枝や黄色、白の菊、牡丹色の小菊などの花束を二束と、ガーベラとストックの束売りを買った。
 お昼ご飯を食べた後は年賀状を書いた。
 その後はさきほど買った花束と束売りの花をあわせたものを持って、近くのお寺にお墓参りにでかけた。お墓には母の誕生日の前日にお供えした花がドライフラワーのようになっていた。花立をきれいにして新しい花を手向け、今年も何とか無事に終わりそうだよと心の中で話しかけた。
 今日のいちばんの収穫は、ももこと長めの散歩ができたことだろう。足取り軽く歩くももこといっしょに歩きながら、どこかで歩けなくなるのでないかと危ぶみながらも、うれしかった。ももこの友だち犬の飼い主さんといろいろ話ができたのもよかった。