歯医者さんに行く

 朝はひんやりとした空気だったが日中は温度が上がり、陽射しも出て、歩くと汗ばむほど。
 午前中、予約した歯科医院にでかけた。家を出る前に老犬ももこにおしっこをさせようと外に出したが、起きかけで外に出たももこはとぼとぼ歩くだけでおしっこをしなかった。しかたなく、そそうをしてもいい部屋(広縁)にももこを締め出し、廊下は自由に行き来できるようにした。
 お昼頃、治療が終わり、いつもならすぐ家に帰るのだが今日は東急線を乗り継いで蒲田に行った。駅前のユザワヤで額縁用のアクリル板を買いたかった。あいにくほしいサイズが品切れだったが、店側の機転で他の額縁にセットされているものを売ってくれた。額縁のほとんどがガラスを入れているが、重たいのと割れると危ないのとでアクリル板を入れている額縁もあるようだ。
 家に残したももこが気になり、買い物を終え家路を急いだ。お昼頃は陽射しが強いので、日があたる部屋にいて大丈夫だろうか。おしっこを我慢しているのではないだろうか。家に帰り着くと心配し過ぎだったことがわかった。庭に面した部屋はほどよく日陰になり、そんなに暑そうではなかったし、どこにもそそうをしていなかった。
 遅めの昼食を食べ、近くの肉屋さんで買い物をすませると急に疲れを感じ、自室で横になった。眠たいというのではない。横になっているとももこは部屋の外にぺったと座り、こちらを見ている。心配そうな顔つきだが、わたしのことを心配しているというより、自分の夕ご飯がなかなか作ってもらえないのを心配しているように思える。
 横になりながら無性に亡くなった柴犬レオのことを思い出され、会いたくなった。こんなことを言ったらももこには悪いが、レオとは長い年月を共にしたのでたくさんの思い出がある。レオが言葉を話せたら、話したことがたくさんあった。レオとわたししか知らない日々のこと。父や母のこと。