頼ってくる老犬ももこが可愛い

 朝方は濃いねずみ色の雲が空をおおっていたが、その間から青空が見え、日中はその青空がひろがった。
 昨日外出したためだろうか。お昼過ぎ、急に眠たくなった。老犬ももこはわたしの昼食後、ケージから出してもらい、木漏れ日がさす庭に面した広縁で眠っていた。ももこの眠り姿をちらっと見て、8畳間に移動し、枕と肌掛け布団を出し、横になったらこてんと眠ってしまった。こういうふうに眠るのは最近では珍しい。
 目が覚めたのは4時近く。目覚めたばかりですぐ起きられず、横になっているとももこがやってきて、手を伸ばせば触れるところに横座りになった。手を伸ばし、ももこの顎や首筋をなでた。肌触りが気持ちよく、ゆっくりと目が覚めていった。すっかり目が覚めると、ももこがここにいるのは外に出たいからと気づいた。起き上がり、準備してから散歩に出た。
 ももこにとって、外に出るのも食事を食べるのもわたしを頼るしかない。ももこは吠えることも、前足でわたしを触ることもしないで、ただ、横に黙って座ることで外に行きたいと気持ちを伝えた。健気なももこ。こんなかわいいももこに安心して暮らしてもらうためにしっかりしないと。