梅雨の一日、老犬ももこの絵を描く

しとしと雨が降ったり止んだり。梅雨らしい天気が続く。
 雨が降る間は庭仕事はお休み。図書館から借りてきた短歌集を読んだり、自分の歌を詠んでメモ用紙に走り書きしたり。過ぎ去った月のカレンダーを葉書サイズに切ったメモ用紙を居間や自室に置いて、思いついたら歌を書き留めている。
 いつもは日中は居間で過ごすが、今日は自分の部屋である和室で過ごすことにした。老犬ももこが居間から移動するわたしを見ていて、「それなら、わたしも・・・・・」と和室にやってきて、部屋に置いてある大きなももこのベッドの上で眠り始めた。
 かたわらで気持ちよさそうに眠っているももこを眺めていると、急に絵を描きたくなった。眠りが浅いとわたしがスケッチブックに向かって鉛筆を動かしているのが気になってかわいそうと思ったが、試しにスケッチを始めると落ち着いて眠っている。最近買い求めた大きめのスケッチブックの最初の一枚がももこの絵になった。柴犬レオがいる時はこのサイズのスケッチブックはなくて、もうひとサイズ小さいものをよく使っていた。そんなことをちらッと思った。レオを大きなスケッチブックで描くことはもうないとも思った。胸を痛みが走る。
 こうして確実に時間が過ぎていく。今は次の今へとつながっていく。過ぎた今という時間はもう二度と訪れない。 


太めの鉛筆で下描き、水彩色鉛筆で彩色した
2〜3年前に買った太い柄筆を使った
今まであまり使わなかったが、スケッチブックが大きくなると絵筆も太めのものが使いやすい