いつのまにか若葉の季節に

 老犬ももこさんを家に迎えることになり、その疲労もあるのか体調を崩して風邪をひいたり・・・・・一日一日をなんとか生活していくだけで精いっぱいの日々が過ぎた。気がついてみれば桜の季節もとうに過ぎて、葉桜の季節になった。庭木も早々と花後の若葉を展開しているもの、小さな黄緑色の芽吹きが見られるものなど、それぞれのライフサイクルに応じて姿を変えていく。
 額紫陽花は大きな葉っぱを伸ばして、その葉っぱの奥に小さな花芽を隠し持っている。葉っぱの中を覗いて花芽を確認するのもこの季節の楽しみ。
 ももこさんはわが家に慣れてくれたのか、環境の変化で体調を崩すこともなく、毎日同じような生活パターンを繰り返している。この繰り返しがどんなに幸せなことなのか、身にしみて知っている。
こちらのほうは体調が崩れっぱなしで、風邪はだいぶ良くなったが飲み続けた薬の副作用か、それともストレスが原因か、軽いじんましんが出て、特に脚がかゆい。だが時々起ることなので静観している。風邪薬は今朝飲み終わったので、薬が原因だとしてもしばらくすればおさまるだろう。
 老犬ももこさんとひと月あまり暮して、あることに気づいた。ももこさんが笑った顔を見たことがないことに。朝、散歩に行く前に口元を緩めて嬉しそうな顔はする。ボランティアグループのスタッフの女性に1週間ぶりに会ったときも、口元をゆるめて笑った。
 亡き柴犬レオのにこにこご機嫌そうに笑っている写真を見ながら、ももこさんがこんな顔をすることはないのだろうかと思う。まだ絆を結ぼうとして1か月あまりしかたっていない。いつかももこさんも笑ってくれるかもしれない。

上は柿の木の若葉、下は額紫陽花の若葉


庭に面した広縁から下に目をやれば、鉢植えやユキノシタのなどの下草が・・・・・・