庭の蕾の椿をスケッチ

 朝は寒かったが、防寒対策を忘れたメダカの水がめは凍っていなかった。冷え込みはそんなに強くないようだ。
 昨夕は近所の方よりお誘いがあり、新年の飲み会に行った。といってもわたしを入れて5名のごく内輪の飲み会だ。いつもは自制して飲むのだが昨日は自制しなかった。思いがけず深酒をしたが、そんな酔った感じはなかった。ただ、寝付いて2時間くらいで夜中過ぎにぱかっと目が覚め、妙な心持になった。突発性の鬱状態になった。心の状態がふつうでは考えられないくらいに沈み込み、生きていることが無味無臭の味気ないものに思えた。この状態で生きていることはすごい苦痛でしかない、そんな心の状態になった。だがこの状態は20年くらい前にやはり深酒をしたときに陥り、その時も一過性ではあったがもっとひどかった。
 一度体験した心持ちなので少し冷静になれたかもしれない。今だけのものだからと自分に言い聞かせつつ、できるだけ楽しいことを思い出そうとしたが、どうしても辛いことが頭に浮かんでくる、しかたなくテレビをつけて気持ちを紛らしていたら1〜2時間ほどで眠くなり、寝付いた。朝目覚めたときは、嘘のようにあの悲劇的な心持が消えていた。深酒は金輪際やめようと誓った。
 弟に電話をしたら、明日、母の命日なのでお墓詣りに来ると言う。明日は弟といっしょにお寺に行こう。
 庭の椿はたくさんのつぼみをつけている。ほとんどの木が樹高が高くてあまりスケッチには適さないが数本、スケッチできる木がある。そのうちの一本は赤い八重の花が咲く種類で、父が植えてから10年くらいになるが、今年がいちばんつぼみの数が多い。椿のつぼみと葉っぱをスケッチした。つばきのつやつやした葉は寒風の中でも凛として、命の力強さを感じる。固く大きなつぼみの先端が少しだけ色づいて、春の息吹が感じられる。これから雪が降り、積もることがあるかもしれないが椿の花は春に向かって少しづつ歩いている。


椿は春に咲くためのつぼみと、花後の若芽を用意して冬を越す


光を浴びる椿の葉が好きだ


冬の椿の鉛筆スケッチ