引っ越しする人が多くなった

 陽射しがおだやかな秋の一日となった。昨日の台風が嘘みたいだ。
 坂道を上って、少し離れた所にある商店街に買い物に行った。お魚屋さんは、近くの商店街になく、いつもここまで足を運んでいる。途中、この夏、南房総のある病院で他界した友人が昨年の初めまで住んでいた家の前を通った。国分寺崖線の上にある見晴らしのいい敷地で、土地の一辺が急な坂道になっている。
 友だちの一家は1階と2階に分かれた二世代住宅に住んでいたが、その敷地を売り払い、その跡地は三区画にわけて売りに出された。そのうちの真ん中の区画に新築の家の工事が半ば近くまで進んでいる。2階建ての大きな家である。  
 これを見て、亡くなった友とのメールのやりとりを思い出した。昨年8月、南房総の海辺近くの病院に見舞いに行き、帰ってきてからひと月に数回メールをやりとりした。友だちが住んでいた家の敷地がどうなっているのかを(友だちのリクエストに応じて)携帯で写真を撮り送ったこともある。更地になり売りに出されたときの写真である。友だちは「ありがとう。家が建ったらまたメールで送ってね」と返してきた。
 あのときから1年と少したって、やっと敷地の一部分に新しい家が建築中となったが、もうメールを送る友だちはいなくなった。友だちはもっと早く家が建つと思っていたのかもしれない。
 近所に住む幼馴染や知人、友人が引っ越しをすることが多くなった。来年春に100歳の誕生日を迎えるお母様を自宅で介護している幼馴染の女性も10月いっぱいで家を引き払い、近くのマンションに仮住まいとして引越しするという。彼女はお母様を看取ってから、家を引き払うつもりだったが、東日本大震災の後、自然災害が起こることが多くなり、不安に感じて引っ越しを決めたと言う。築70年余りという古い家なのも、引っ越しを急ぐ理由となった。99歳という高齢の方にとって,住む家を変えることは大変な負担となるだろうし、彼女もそんなに若くなく、介護をしつつの引っ越しはかなりの負担だろう。
 住み慣れた土地を去って、新しい家に転居する人が身辺で多くなり、寂しい秋となりそうだ。


昨夜、東の空に上った十三夜の月
厚い雲の隙間から時々顔をだした
晴天が続くので、満月までお月見が楽しめそうだ



淡いピンク色の花を咲かせる千日紅
千日紅の種を蒔くと、紅色の花が咲く株がいちばん多いが、真っ白や薄いピンクの花が咲くものもある


白い花の千日紅