飯倉の教会を描きに行く

 今日もおだやかな秋晴れが続く。暑くなく寒くなく心地よい陽気である。
 ひと月以上も前に飯倉にある教会をスケッチしに行った。鉛筆で下描きしただけで彩色は家で写真を見ながらしたが、どうしても実物を見ないと色付けできないところがあり、もう一度行きたいと思っていた。今日の午後、日和もいいのででかけた。
 日比谷線の神谷町から徒歩7〜8分くらい。飯倉の交差点近く、ゆるやかな坂の途中に建てられている。道路を渡って向かい側の歩道に植え込みがあり、座れる狭い場所があったのでそこに腰かけて色をつけた。座ると建物の下の部分が見えないのでときどき立った。外壁は木製だが、家で写真を見て付けた色がかなり違うのに気づいた。薄く色を塗ったので修正は出来るが、持って行った水彩色鉛筆ではその色が混色できなかったので、そのままにして別の所を色づけした。
 奥まった屋根の重なり具合など、写真ではわからない所も実物を見れば一目瞭然である。
 絵を描いていると、何人かの方が絵を覗いていく。中には絵を描いているわたしの写真を撮りたいという方もいた。日本語を少し話せる、アジア系の男性フォトグラファー。自身のウェブサイトのアドレスをメモって渡してくれた。
 屋根や壁など大きな部分は家で彩色したので、わりあいと早く色づけが終わった。まだ時間があるので、隣の教会を鉛筆で下描きした。二つの教会は並んで立っているが、こちらは道路を渡って建物の前に行き、描いた。ざっとスケッチしたが立ったまま描いたので1時間くらいで集中力が途切れた。後は家で写真を見て描くことにした。また、足を運んでもいい。


 今夜は3年ぶりの皆既月食である。午後6時15分から食が開始らしいがあいにく月が見えない。雲に隠れているのだろうか。そんなに雲は厚くないのだが。
 庭に出たら、月が出ていた。食が始まっている。向かって左下が欠けている。
 7時24分ごろ皆既月食の状態になり、これが8時過ぎまで続くという。月が昇ると家の中からも眺められるので、夕食の準備や食事の合間にときどき眺めた。地球の影に完全におおわれている満月を、地球上にいるわたしが観ている。その関係性をイメージすると不思議な感じがある。


聖オルバン教会



聖アンデレ教会