柴犬レオの夢を見た

 かなり久しぶりに昨年6月に他界した柴犬のレオが夢に出てきた。
 長い夢の最後の方で、憶えているのは刹那の短さ。こういう夢だ。わたしは自室で布団で眠っているが何かの気配を感じて起き上がり、台所に行く。そこにはレオが立っていて、台所の空気が乳白色になっている。きな臭い匂いもする。とっさに何か燃えていると思い、大慌てで窓を開けようとする。〈窓を開けたか開けないのかわからないがここで目が覚めた。続きがある。
 目が覚めたわたしは寝起きの朦朧とした目で,傍らに置いたレオのベッドに横たわっているレオの顔を見た。目がはっきりしてくると、レオの顔は消え、枕元に置いた〈携帯などを入れた〉バッグが目に入った。レオのベッドは生前と同じ場所にそのまま置いてある、わたしの布団の右横である。レオの大きさに比してもかなり大きなベッドであるが、これをどこかに仕舞うことには耐えられない。このベッドに横たわるレオはわたしの方に顔を向けていた。このレオが夢の続きなのか、レオの魂が現れたのか。わからない。
 だが昨日は昼間の疲れを夜まで引きずり、眠たくなったと思うと次には目が冴えてとうとう眠れなくなった。夜中の2時過ぎまでうつうつとしていたようだ。いつの間にか眠り、目が覚める際にレオが夢に現れたのである。
 レオがわたしに「大丈夫?」と言ってくれた気がする。わたしを気遣って夢に出てきてくれたように思う。レオから励ましを得て、わたしは今日もまた起きて1日を送ろうと思った。

 続きがある。最近愛犬を亡くした犬友だちからメールがあり、可愛い顔をした4歳の柴犬の男の子が保護されているとのこと。彼女に飼ってみませんかと問い合わせがあったが、友だちは前の愛犬がゴールデンレトリバーなのでやはり同じ犬種がいいと思っているそうで、わたしにメールをしたようだ。
 ふと心が動いた自分に驚いたが、レオと同じような愛情を注げるか自信がない自分にも気づいた。わたしの心変わりを予見するように、レオは夢の中でわたしに別れを告げに来たのだろうか。いや。そんなことはないよね。レオとわたしはいつまでもいっしょだよ。この家で父母とレオと暮らし、ひとりづついなくなっていく過程でレオと身を寄せ合って生きてきた日々は永久にわたしの胸に刻まれているよ。わたしが死んだ後はわからないが、思いとしては永遠ということばしかないよ。
 久しぶりに号泣し、涙がなかなかとまらない。


山紫陽花’紅’が赤く色づいてきた



ホタルブクロは昨年まで赤一色だったが、
今年になって突然、白いホタルブクロが咲いている
今日初めて気づいた