柴犬レオの夢

 日中は陽射しが出るが、気温が低くて寒い。道の端に寄せた雪はなかなか消えない。
 昨夜、たぶん3時半ごろか、柴犬レオの夢を見て目が覚めた。長めの夢で、多摩川の河原をレオと散歩している。レオはリードを放して、自由に歩いたり走ったりしている。親しくしていた犬友だちも何人か出てきて、彼らに対してわたしはわだかまりを抱えている。このわだかまりは、夢から覚めても実感を伴っていた。
 レオはとても若い頃で、3〜4歳くらい。筋肉が引き締まってきびきびした動きだ。やせているというより、ほっそりしている感じ。川に近い石がゴロゴロしているところをいっしょに歩いているとき、目を離した隙にレオの姿が見えなくなる。探すと土手の上の道路を渡ろうとしている。なぜか警官がいて、マイクで柴犬が道路を渡ったと叫んだ。わたしは急いで走っていき、警官と話すが「道路を渡ってどこに行ったかわからないので自分で探してください」と言われる。
 車道を渡り住宅街に行くと、すぐ近くの民家の玄関先にレオが横になって眠っている。わたしは腰を下ろして膝をつき、レオの寝顔を見るが若い頃のほっそりとした顔だ。腕を体の下に差し入れて、レオを抱き上げる。何故かそばに犬友達がいて、「レオが眠っているから抱いて家に帰る」と彼らに言う。ここで夢は終わり。
 レオを抱いて家に帰るところまで夢を見たかった。夢の続きが現実になったらいいのに。だが目が覚めた後、レオを抱いて家に帰ったような気持になり、どこかにレオが眠っているような気がした。


2012年7月の柴犬レオ、我が家の庭で
レオにとって、最後の夏となった