介護について思う


寒いのでしまったフリースを出して着せた


 三月最後の日は日曜日。あいにくの曇り空で朝方は雨も降っていた。冬の寒さが戻ったようで、朝からエアコンで暖をとった。
 16歳になった柴犬レオと暮らしているが、介護が必要な状態になってどのくらい月日がたったか。どの辺から介護が必要といえるのか。排泄が自分でコントロールできず、そそうしてしまう頃から介護の第一段階が始まったのかもしれない。その前に夜、起きるようになるという段階があったようにも思う。そのあたりが介護の始まりか。
 夜、起きて部屋の隅で歯ぎしりをして、部屋の中を興奮して歩き回るようになった。同時に、部屋の中でそそうとするようになった。最初はたまに、という感じで調子が悪くてそそうしたと思っていた。その後、毎日そそうするようになるまで、あるていどの時間があった。1年くらいか。いやもう少し長い、1年半くらいか。
 現在は、3畳半くらいの部屋に、汚れが簡単に拭きとれ、すべりにくいマットを敷きつめ、その続きの廊下にも同じものを敷きつめ、6〜7割はここでトイレをしている。あとは外で出た時と、他の部屋ですることもある。
 ここに至るまで、あちこちの部屋の隅に8〜9か所ほどトイレシートを敷いていたこともある。そのときに比べれば、今は介護しやすいし、レオにとっても足が滑りにくく、用をたしやすくなったのではないか。
 家の中でトイレをすることが当たり前になっても、体調を見ながら積極的に外に連れて行きたい。外の空気に触れ、他の犬に会い、その飼い主さんから元気?と声をかけられ、わたしがいろいろな人と会って話したりするのを目の前にするのは、刺激になると思うからだ。
 食事については、だんだんふつうの食べ方ができなくなった。食欲がないのか、食べたくないものが出たから食べないのかと最初思っていたが、口をもぐもぐして食べたそうにしても食べられないことが多く、うまく食べ物を口にくわえられないことがわかった。
 ときにはふつうに食べられることもあるが、食べられないときは手でレオの口の横から食べ物を入れると、もぐもぐ噛んで飲みこむ。嫌いなものは外に出すこともある。水はいまのところ舌を使ってふつうに飲んでいる。老犬を介護した人に聞くと、水が飲めなくなり、スポイトで流し込んだことがあるそうだ。
 最近気づいたこと。レオは灯りのスイッチの音にすごく敏感に反応する。夜眠るとき、別の部屋で寝ているレオを抱いてわたしの部屋に連れていくが、そのとき、スイッチで灯りを消すと、カチッという音でぴくぴくと体が反応する。不随意筋が動く感じだ。顔の筋肉も動く。そしてぐっすり眠っていても起きてしまい、興奮状態になり、起き上がって歩きだし、後ろ足で立って、前足を引っ掻くように動かしたりする。
 落ち着くまでしばらくかかるので、スイッチの音をレオに聞かせないように注意をするようになった。
 介護をしていて、このように何気なくやっていることや、こちらがよかれと思ってやっていることで、レオにはよくなことがまだあるような気もする。
 レオを注意深く観察しないとわからないことだ。無用な刺激でレオに辛い思いをさせたくない。どうすればレオがもっと、落ち着いた状態で過ごせるのか。気が付かないうちに、毛がはげたり、ノミがついたり、怪我したりしていないか。観察と工夫の日々。


友だちに贈るカード
ハガキサイズの紙に描いた



こちらも友だち用


描き損じたが最後まで描いた、これもハガキサイズ