いけ花を観に行く

 友だちから数日前、手紙を同封していけ花展の案内が届いた。一年前からいけ花の教室に通っているが、発表会を開催するとのこと。展示場所は東急田園都市線桜新町駅から歩いたところにある。駅からちょっと遠そうだ。
 老犬レオのお世話との折り合いがつけば行こうと思っていた。
 昨日は冷たい雨なのでパス。今日は薄氷が張る朝で北風が身にしみる寒さだが、晴れているので、できれば行きたいなと思った。
 レオは昨夜も深夜過ぎ、一回起きたが朝は早目の時間に起き、敷布団の上に大のそそうをした。その後、おしっこもしたいのではと、外に出したがする気配がなく、家に戻り、水で薄めた牛乳を少し飲み、また眠った。そのまま眠り続け、次に起きたのは午後3時近く。
 また外に出してもおしっこはせず、結局、家の中でそそう。今日初めての食事は野菜は残したが、豚の薄切り肉とペンネは食べた。水を飲ませ、抗てんかん剤を飲ませると、部屋の隅に横たわった(といっても寄りかかるものに寄り添うようにして)。
 落ち着いたのを見て、少し遅くなったがでかけた。4時頃だ。
 桜新町駅から地図を見るとかなり歩くように思えたが、予想通り、かなり歩いた。ただまっすぐの道だった。国道1号線(246)を横切り、駒沢公園通り方向に歩く、日体大の手前だ。住宅街の中なのでわかりにくいが親切な新聞配達員の青年に助けられ、なんとかたどり着いた。
 見た目、ふつうの個人の家のようなところ。中に入ると一階には誰もいなくて2階に上がると、どうぞと茶室の中に招かれた。いけばなのデモンストレーション中だった。友だちが床の間に置いた花器(壺)に向かい、生けていた。白花のマンサクと、シックなテラコッタ色のキンセンカ
 かたちを決めようと何回かマンサクの大きめの枝を壺に入れては出している。かたちが決まり、キンセンカを生ける。葉っぱがきれいな緑色で勢いがある。こちらも何回か生ける位置を直し、完成。茶室にいた人たちの拍手が響き、ありがとうございますの声がかけられる。友だちもありがとうございます、と。
 この後、ギャラリーたちは茶室を出た。
 わたしも部屋の外に出たのだが、友だちに声をかけたくて、茶室にいると教えてもらったので、再度入った。
 友だちと先生がいた。先生が友だちが生けた花を手直ししたようだ。床の間の生け花はさきほどとは、劇的に変わっていた。マンサクの枝に動きが出て、しなやかな美しさがせまってくる。枝の脚元に行けたキンセンカも枝の動きにそうように生けられている。友だちが生けたときより、全体的に立体感がある。枝が力を得た感じ、見事。
 茶室で、友だちとその先生も交えて少し話した。花のことだけでなく、友だちとはじめて出会ったときのこと、友だちのご主人のことなども。
 今日の外出はなかなか刺激的で、花を見る楽しみもあった。友だちと短い時間ではあるがいろいろ話せたのもよかった。
 無理してでもでかけてよかった、とつくづく思った。

 渋谷経由で帰途へ。通勤帰りの人で混みあう渋谷駅の雑踏に入ると、自分が宇宙人のように思えた。別世界から舞い降りたみたい。
 家に帰るとレオは仏壇のある和室に眠っていた。わたしが帰ったよと声をかけても知らんふりして眠っている。
 今日のレオはあまり調子がよくない。寒いせいもあるが、外に出してもブロック塀に寄りかかるようにうずくまってしまう。トイレは家の中にしている。
 夕食は牛肉をグリルで焼いたものと、煮こんだ野菜、チーズ3切れ、クロワッサン三分の2ほど(渋谷のアンデルセンで買ってきた)を食べた。まあまあかな。クロワッサンはちょっと変わった小麦粉を使っているみたいで、色が濃く、味にもコクがある。



桜、雪柳、アネモネのいけばな
窓の外の桜の裸木とコラボしている


日本水仙とレースフラワー
水仙の葉っぱを効果的に使っていて、すてき