昔の写真を見て

 あたたかく風はないが、桜は昨日にも増して散り急ぐ様子。わが家の庭にも点々と花びらが模様を描き、ハイライト効果で庭が明るくなった。
 今日は短めに仕上げたい。夕方、車で駅前に買い物に行った。買い物を終えてぶらぶら歩いているとき、なんの気なしに見た駅舎の壁に、昔の駅舎や、電車が走る景色などの写真が展示されていた。大正12年、この駅が出来た時の駅舎の写真。クラシックカーが駅前に止まり、周囲はほとんど建物がない空き地で、どこまでも見渡せる。
 祖父母一家がこちらに引越した頃の駅と思われる写真もあった。電車は一両だけ。小さなプラットフォーム。こういう駅から祖父母や母は電車に乗ったのか。
 いちばんなつかしかったのは、高校時代に初めて電車通学をし、そのとき乗り降りしたプラットフォームの写真だ。今見ると、老朽化して古びているが、ここで3年間電車を乗り降りしたと思うと感無量。
 あの頃はこの風景がいつまで続くだろう、なとどいうことは一瞬たりとも考えることがなかった。自分がいまここにいることをかみしめる、などということもなかった。そういう暢気な自分がいた。そういう暢気な時代にふさわしい駅だと思った。

大正12年、この路線が開通した当時の駅舎


このプラットフォームから電車に乗り、高校に通った
この駅を毎日見ていた


 今日の老犬レオは朝9時くらいに起きてすぐ外に行った。いつもの家の前の道路では変わり映えがしないので、抱いて桜を見に行こうと思ったが、床屋さんが店の前にいたので、立ち話をするために床屋さんの前でレオを下ろした。店の前でいろいろな草木を鉢植えで育てているので、園芸の話をいろいろ。サギソウの育て方、椿のさし木、葡萄の栽培ついてなど話しは尽きない。気が付くと足元にレオのおしっこのしみが・・・・・。お店の前ですみませんとあやまると、水を流すから大丈夫との返事。恐縮しながらレオを抱いて家に帰ってきた。

 今日はプロ野球が開幕した。父は○人の大ファンで、試合が負けると早めに床に入り、ふて寝したほど。生前の父が座っていたテレビの前の席に父の写真を置いて、テレビ観戦をしてもらった。開幕戦は最初負けていたが見事な逆転勝ち。もし父がいたら、大満足でぐっすり眠っただろう。
 わたしはそんなに野球が好きというほどではないので、テレビで野球を見ることは少ない。見る日があったら、今日のように父の写真を置こうと思った。

キバナカタクリ(園芸品種)の花が一輪だけ咲いた
8年くらい前に植えたとき一回咲いたが、その後一度も咲かず、
葉っぱだけは出ていた