今日から師走

 夕方、車で駅前のスーパーマーケットに買い物に行った。もう暗くなっていた街は、気のせいか、昨日とがらっと変わったように見えた。人々が師走だ、師走だと心のどこかで感じつつ、動いているような。足早になり、なんとなくせわしない雰囲気が街にあふれている。
 今日が土曜日ということが大きいかも、と気づいた。夕方は家族の待つ家に早くという気持ちが足早にさせるのかも、とも思った。
 買い物を終え、駅前の噴水の前で、あたりを見回した。2012年の師走の街を目に焼き付けておこうと思った。
 師走でいちばん心に残っているのは、母の最期の師走となった2007年、父が家で療養生活に入るため、病院から帰ってきた2010年だ。2007年はなにもない師走だったが、日々の一コマ一コマが心に刻まれている。2010年は、父とほぼ24時間体制の介護生活に入り、最初はかなり大変だった。ヘビースモーカーの父は、肺や気管支に問題があり、痰がたくさんたまる症状があり、24時間、痰の吸引が欠かせなかった。最初は夜中によく起きて吸引していたが、だんだん慣れてくると、吸引の回数を少しずつ減らした。
 師走の頃は、目いっぱいわたしががんばっている時だった。父にこの家で年を越してほしいという気持ちが強かった。お正月を迎え、なんとか無事に過ごすことが出来て、気がゆるんだのかもしれない。そういうときに父は逝ったような気がする。
 2012年の師走は老犬レオがいる。心に刻まれる師走になるかもしれない。それで、街の風景をまじまじと眺めたのだろうか。

 今日は久しぶりに午後の2時間弱をレオと外で過ごした。最初は庭で過ごし、その後は外に散歩に出た。庭にいる間は、落ち葉の掃除をした。柿の木を見上げると、いつのまにか、葉は残り少なくなっていた。葉がなくなった枝から空が見える。
 隣のマンションの外回りの掃除をしている人から、落ち葉がいっぱいのゴミ袋が3つも庭に届けられていた。近くの特別支援学校が落ち葉の回収をしていることを伝えたが、マンションの敷地全体から落ち葉を掃き集めるとは思っていなかったので、びっくり。せいぜいわが家とマンションの間の通路の落ち葉くらいかなと思っていた。
 でも、落ち葉の回収に協力してくれて、ありがとう。
 老犬レオは最近、トイレの8割くらいを家の中でするようになった。トイレシートを敷いているところが多いが、ときにはそうでないところにすることもある。お昼ごろ、わたしの部屋に眠っているレオの様子を見に行ったら、起きて部屋の隅に顔を押し付けていた。これは!とひらめき、トイレシートを敷いてある部屋に抱いて行ったら、間に合わず、カーペットにうんち。その後、トイレシートにおしっこをした。
 わたしがいるときはレオの様子を見て、部屋を移動させられるが、いないときはこの部屋に入れておくしかないなと思った。

ナンテンの木にソメイヨシノの紅葉した葉が
彩りをそえる

ガーデンシクラメンの鉢に、柿の葉が一枚・・・・・