冬空がひろがる日曜日

 昨日の夕方ころから寒くなった。今日は日差しが弱く、これから冬なんだと思わせる天気になった。
 明日は亡き母の誕生日だがでかける予定があるので一日早く近くの菩提寺にお墓参りに行った。墓地に屹立する大銀杏は葉をおおかた落し、その下にあるお墓や通路を落ち葉で被いつくしている。お寺の方が掃除にはげんでいらっしゃる。せめてもと思い、わが家のお墓の前の通路に散らかる落ち葉をきれいにした。
 手向ける花は花壇からとってきた小菊を何本かと、父の誕生日に手向けたユリがまだ元気なののでそのままにした。足しげく墓参に来るようになって、そろそろ6年を迎える。落ち葉がいっぱいの、冬の気配が漂う墓地を眺めまわすと、一角にハクモクレンの木があり、もうつぼみをつけている。3か月余り先には、ハクモクレンが咲く季節がやってくる。白い花が目に浮かび、なぜか寂しくなった。
 家に帰り、お昼前から庭に出た。昨日剪定したユズのとげとげの枝が庭に散らかっている。数センチの鋭いトゲが枝にびっしりついていて、踏んだら危ない。裸足で歩く柴犬レオがいたときは、ユズの枝を残しておくと痛い思いをさせると思いていねいに後始末をしたが、いなくなった今もやはり、同じように細心の注意を払って地面に落ちた枝を拾った。
 こんなことを思いながら作業をしていたためか、庭の通路を見た時、在りし日のレオがフラッシュバックした。わたしのほうを見ているレオの驚いた様な顔だ。レオは通路沿いの一段高くなった植え込みのある所に上ろうとして上れず、通路に落ちたがいっしょにガーデニング用の熊手を落してしまい、そのとがったところを後ろ足で踏んでしまったのだ。鋭い痛みがあったのだが、どうしてなのかわからず、わたしの方を見たのはそんな表情だった。戸惑ったような・・・悲しいような・・・・・。
 そのときのレオの顔と通路にお尻をついた姿が何度もまぶたの裏にちらつき、涙が出てきた。レオを駐車場に抱いて連れて行き、歩き方がおかしいのとコンクリートに血がついたので、足に怪我をしたことに気づいた。あのときのレオの顔・・・・・・今でもわたしに何か訴えかけているようだ・・・・・。



ユズの枝を始末した後、名前のわからない落葉樹の枝を切り落とした
ほっておくと大木になりそうな樹種で、高くならないように止めるのがひと苦労
父がいたら、なんという木なのか聞きたいが父はきっと答えられないだろう
切り落とした枝は、直径が4センチくらいで長さは3メートル弱


枝を切り落とした後に撮影
赤茶けた葉をつけた木で、切った枝は隣家の2階の屋根の高さを超えていた

さらに剪定してこうなった



高過ぎて取れない所に柿の実がたくさん残っている
野鳥たちが集団でやってくる
食べ方の可愛らしいのがメジロ
皮だけきれいに残してついばむ